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プロ野球記録ノート

巨人戦は打率.194、2本塁打、7打点…昨年の三冠王・村上宗隆を苦しめた球団、投手は?【プロ野球記録ノート】

 

三冠王の翌年の成績は?


今季はシーズン序盤から打撃で苦しんでいた村上


 昨年三冠王を獲得したヤクルト村上宗隆。残り20試合ほどになった今シーズンだが、打撃3部門には手が届きそうにない状況だ。

 1938年秋季の巨人中島治康から村上まで8人、12度の三冠王が生まれているが、その翌年の成績はどうだったのか(春季・秋季制の中島は除く)。

 1973年の巨人・王貞治、1985年の阪神・バース、ロッテ落合博満は翌年も三冠王を獲得したので、それ以外の8パターンを見てみる(村上はすべて9月3日現在)。

野村克也(南海)
 1965年 率.320(1位)本42(1位)点110(1位)
 1966年 率.312(3位)本34(1位)点 97(1位)

王貞治(巨人)
 1974年 率.332( 1位)本49(1位)点107(1位)
 1975年 率.285(10位)本33(3位)点 96(1位)

落合博満(ロッテ)
 1982年 率.325(1位)本32(1位)点99( 1位)
 1983年 率.332(1位)本25(7位)点75(10位)

ブーマー(阪急)
 1984年 率.355(1位)本37(1位)点130(1位)
 1985年 率.327(4位)本34(3位)点122(2位)

落合博満(ロッテ→中日)
 1986年 率.360(1位)本50(1位)点116(1位)
 1987年 率.331(3位)本28(7位)点 85(6位)

ランディ・バース(阪神)
 1986年 率.389(1位)本47(1位)点109(1位)
 1987年 率.320(7位)本37(2位)点 79(9位)

松中信彦(ダイエー・ソフトバンク)
 2004年 率.358(1位)本44(1位)点120(1位)
 2005年 率.315(3位)本46(1位)点121(1位)

村上宗隆
 2022年 率.318(1位)本56(1位)点134(1位)
 2023年 率.252(24位)本25(2位)点 72(3位)

 本塁打は2位、打点は3位につけているものの、25本塁打は巨人・岡本和真に12本差、72打点はDeNA牧秀悟に19点差がある。そして打率はリーグ24位の.252。三冠王翌年に打率3割を下回ったのは1975年の巨人・王貞治の.285(10位)のみ。村上の低打率は今季の不調を象徴している。

球団別成績を昨年と比較


 では村上の球団別の成績を昨年と比較してみよう。

中日
 2022年 試25 率.364 本13 点26
 2023年 試20 率.257 本 6 点17

広島
 2022年 試25 率.340 本13 点26
 2023年 試21 率.243 本 5 点14

DeNA
 2022年 試25 率.333 本9 点24
 2023年 試18 率.308 本7 点18

巨人
 2022年 試24 率.264 本8 点28
 2023年 試19 率.194 本2 点 7

阪神
 2022年 試24 率.260 本7 点17
 2023年 試22 率.244 本3 点 9

交流戦
 2022年 試18 率.351 本6 点13
 2023年 試18 率.279 本2 点 7

 昨年、打率.364と一番打った中日戦は.257まで落とし、本塁打も13から6に。広島にも打率.340から.243になり、こちらも本塁打13から5と大幅に落とした。巨人は昨年も打率.264とあまり打てなかったが、今季は.194と2割を切っている。また本塁打も8本から2本と打てていないのが現状だ。

 中日では左腕の小笠原慎之介から、昨年は16打数7安打、打率.438、3本塁打、5打点だったが、今季は11打数2安打、打率.182、1本塁打、2打点と抑えられた。

 広島でも床田寛樹には7打数4安打、打率.571から8打数1安打、打率.125。森下暢仁にも昨年は17打数7安打、打率.412。今季は対戦は少ないものの4打数ノーヒット。

右投手に苦しんでいる今季


 また右投手に対しても今季は苦しんでいる。

 右投手 .305→.211
     38本塁打→14本塁打
 左投手 .346→.314
     18本塁打→11本塁打

と左投手に対しては3割台をキープしているものの右投手には約1割も打率を落としている。また本塁打も右投手からは激減している。

 特に今年大躍進した阪神の村上頌樹には15打数2安打、打率.133で本塁打はゼロ。DeNAの新外国人・バウアーにも7打数ノーヒットで4三振を喫している。

文=永山智浩 写真=BBM
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