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リーグトップの39ホールド…ロッテの右腕に「複数球団で争奪戦」可能性が

 

四球が少なく安定したピッチング


2位・山崎颯一郎とは12ホールド差をつけてトップを走るペルドモ


 吉井理人監督が就任し、2位と健闘しているロッテ。チーム内でMVPを選ぶとしたら、この右腕が最有力候補ではないだろうか。リーグトップの39ホールドをマークしているルイス・ペルドモだ。

 昨年5位に低迷したロッテ。オフには救援陣の柱だったロベルト・オスナソフトバンクに移籍した。このオ スナの穴を埋めるべく、獲得に乗り出した右腕がペルドモだった。メジャーデビューしたパドレスで2016年に9勝をマークするなど、メジャー通算147試合登板で23勝31敗、防御率5.12をマーク。19年以降は主に救援で登板していた。

 来日デビュー戦となった4月1日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で3本の集中打を浴びて2点を失ったが、その後の登板では安定した投球で首脳陣の信頼を勝ち取る。4月18日の日本ハム戦(エスコンF)から5月18日のオリックス戦(ZOZOマリン)まで、球団タイ記録の12試合連続ホールドをマーク。勝利の方程式に不可欠な存在として稼働し、50試合登板で1勝3敗39ホールド1セーブ、防御率2.08の好成績を残している。

 47回2/3を投げて39奪三振と決して多くない。手元で球を動かし、バットの芯を外して凡打の山を築く投球スタイルが真骨頂だ。投球の半分以上を占めるツーシームにスライダー、チェンジアップを操り、制球が安定しているため四球で崩れる心配がない。黒木知宏投手コーチも週刊ベースボールのインタビューで、「彼の長所はやっぱりコントロールじゃないですか。どんな状況であっても、ストライクをしっかり先行させて、四球が少ない。ピンチの場面でもクイック、けん制のうまさ。ゲームを支配する圧倒的なピッチングをする安定感があります。監督と、『7回はペルドモで行きますか』と決めたとき、『ペルドモなら安心できるな』と思えるピッチャーです。それくらい安定していますね」と絶賛している。

オールスターでも好投


 来日1年目で球宴出場も果たした。「日本で野球をすることになったとき、オールスターでプレーすることを一つの目標に掲げていたので、実現できてすごくうれしく思います。日本にはこれまで対戦して、とてもたくさん印象深い選手がいます。特に、田中将大投手(楽天)、柳田悠岐選手(ソフトバンク)、頓宮裕真選手(オリックス)と仲良くなりたいです。セ・リーグのT.バウアー投手(DeNA)は、とても良い選手だと思っています。僕の友達が『サイ・ヤング賞を獲って、日本でも活躍する』と言っていましたが、そのとおりになっています。バウアー投手のシンカーはすごくいいですし、試合に向けての準備も質問したいと思っています」と心待ちにしていた大舞台で、完ぺきな投球を見せた。

 球宴2戦目(マツダ広島)に6回から救援登板し、アリエル・マルティネス(日本ハム)と球宴史上初の外国人選手バッテリーが実現。先頭打者の大城卓三(巨人)をチェンジアップ、長岡秀樹(ヤクルト)をスライダーで2者連続空振り三振に仕留めると、関根大気(DeNA)はチェンジアップで捕ゴロと、緩急自在の完ぺきな投球だった。

威圧感はないがクレバー


 他球団のスコアラーは、「威圧感はないけど、打者を打ち取る術を知っている投手ですよね。ツーシームやスライダーの曲がり幅を工夫したり、クイックや長い間合いで打者のタイミングを外す。クレバーですよ。セットアッパーが不安定で苦労している球団は多い。今オフは争奪戦になるのでは」と分析する。

 後半戦もホールドを重ねていたが、右肩の張りのため9月18日に登録抹消された。患部の回復具合が気になるところだが、クライマックスシリーズに向けて万全のコンディションで復帰できることを願うばかりだ。

写真=BBM
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