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【大学野球】芸術的なバットコントロールを誇る明大・宗山塁 指揮官も「さらに進化している」と絶賛する打撃

 

視界に入ってきた通算100安打


明大・宗山は早大3回戦の1回表一死二塁から右翼線への先制適時打二塁打を放った[写真=矢野寿明]


 明大は今秋、85年ぶりのリーグ4連覇を目指している。序盤戦のヤマ場となった第3週の早大戦。1回戦を落としてから2連勝で、第1週の東大戦に続く2つ目の勝ち点を挙げた。

 不動の三番・宗山塁(3年・広陵高)のバットが止まらない。早大との3試合では、12打数8安打の固め打ちを見せた。開幕カードの東大戦では2試合で7打数3安打。5試合連続安打で19打数11安打、打率.579とした。

 1勝1敗で迎えた3回戦(9月25日)。三番・宗山は1回表一死二塁から、右翼線へ先制適時二塁打を放った。前日の2回戦では、1回表に1点を先制された直後の1回裏に同点適時打。チームに流れを呼ぶ一打で貢献している。3回戦の第2打席は、外角低めの変化球をうまく拾い上げての左前打。第3打席の痛烈な遊撃へのライナーは、好守に阻まれた。第4打席はたたきつけた打球が、二塁手の横を抜ける中前打となった。クリーンヒット、技あり、そして、しぶとさ。三方向に打ち分ける、芸術的なバットコントロールである。

 明大・田中監督は試合後に明かした。

「試合前、(早大の)小宮山(悟)監督とあいさつした際に『宗山の顔を見たくない(苦笑)。当たったらヒットですから』と。本来の形に戻ってきた。長打はありませんが(2年秋までに8本塁打。今春、秋を通じてノーアーチ)、そこは気にならない。さらに進化している」

 通算87安打とした。この秋は2カードで11安打を放っており、残り3カードでの100安打も視界に入ってきたと言える。この大台に乗せた上で、学生ラストイヤーの2024年は明大の先輩・高山俊(現阪神)のリーグ最多131安打に挑戦したいところ。この3試合は遊撃守備でも魅了しており、万全の準備で臨む背番号6のパフォーマンスから目が離せない。

文=岡本朋祐
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