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【社会人野球】94年以来の「アジア王座」奪取に向けて代表の士気を高める2人のレジェンド

 

百戦錬磨の経験値


侍ジャパン社会人代表としてアジア競技大会に出場する37歳・田澤[左]と39歳佐竹[右]。まだまだベテラン健在だ[写真=矢野寿明]


 レジェンド2人が1994年以来の「アジア王座」奪取へ向けて、チームの士気を高めている。

 第19回アジア競技大会(中国・杭州、10月1〜7日)に出場する侍ジャパン社会人代表が9月25日から3日間、埼玉県内のグラウンドで国内直前合宿を行っている。

 メンバー24人で一際、オーラを放っていた2人がいた。今年10月14日で40歳になる右腕・佐竹功年(トヨタ自動車)と、元メジャー右腕の37歳・田澤純一(ENEOS)である。日の丸を指揮する石井章夫監督は戦力としてはもちろんのこと、百戦錬磨の経験値を伝授してほしいと、期待を込めての代表入りとなった。

 佐竹は「ミスター社会人」である。2006年に入社してから、今年で18年目。都市対抗2度、社会人日本選手権6度の優勝に貢献。社会人代表キャリアは7回。2014、16年にはベストナイン、最多勝、最優秀防御率に輝くなど個人賞も多数、受賞してきた。ベテラン健在だ。

「アジア競技大会は3度目になります。社会人における一番、大きな国際大会です。金メダルは1994年の広島大会以来、遠ざかっており、何とか、優勝したいなと思っています」

 田澤は横浜商大高から新日本石油ENEOSに進み、入社4年目、08年の都市対抗優勝に貢献。その後はメジャー・リーグへ挑戦し、台湾、メキシコなどでプレーし、昨年9月、14年ぶりに古巣・ENEOSに復帰した。

 6月末、社会人代表選考合宿に参加した際に田澤は「アメリカの野球、海外でやってきたことを少しでも伝えられれば、と考えています。この年齢(37歳)で選ばれるか分かりませんが、まずは自分のできることをやる。選んでいただければ、チームに貢献したい」と意気込んでいた。日の丸を背負うのは社会人入社3年目(07年)、IBAFワールドカップ(台湾)で銅メダルを獲得して以来である。

 9月26日は日本通運とのオープン戦を行い、社会人代表が12対4で勝利した。佐竹、田澤の登板はなく、ベンチで選手を鼓舞。練習中も年下の選手たちに指導する姿が見られた。「生きた教材」に、各選手とも助言に聞き入っていた。佐竹は社会人日本代表入りが決まった8月、田澤についてこう言及していた。

「年齢の近い『仲間』がようやく入ってきてくれまして、おじさんパワーで頑張っていきたいと思います(笑)」

 日本は「アジア3強」を形成する韓国、台湾との金メダル争いが予想される。ここ一番で頼りになるベテラン2人の投球に注目だ。

文=岡本朋祐
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