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【大学野球】立大が開幕から8連敗 チーム運営上、難しい状況下において何が必要なのか

 

「相手の力が上回っていた」


立大の副将・岩本はゲームキャプテンとしてチームをけん引している[写真=矢野寿明]


[東京六大学リーグ戦]
10月8日(神宮)
早大4−1立大(早大2勝)

 立大が開幕から4カード連続で勝ち点を落とし、8連敗となった。早大2回戦(10月8日)を1対4で連敗。一部報道で発覚した不祥事を受けて、前カードの明大戦から自粛する溝口智成監督に代わり監督代行として指揮する木村泰雄コーチは「伊藤投手(樹、2年・仙台育英高)がテンポの良いピッチング(完投勝利)で、相手の力が上回っていた。チャンスは何回かあったが、仕掛けられず、ランナーを進められなかった」と敗因を口にした。

 第5週の段階で勝ち点ゼロの最下位。第7週では、東大との最終カードが控えている。

 明大との前カードでは金子明雄部長、溝口監督、そして、最上級生としての責任から4年生が神宮球場での活動を自粛。早大戦からは一部の4年生が戻った(金子部長と溝口監督は9月30日に設置された調査委員会の結果が出るまで自粛)。ゲームキャプテンとして一塁ベンチで鼓舞した副将・岩本悠佑真(4年・報徳学園高)は言う。

「4年生が、この週から復帰できました。自分のできることは、全体への声かけにベストを尽くすこと。野球にはミスが付き物。(その場で)反省しても意味がない。前向きに、プラスの声を出していきました」

 立大は開幕8連敗、そして、チーム運営上、難しい状況下において、何が必要なのか。

チームNo.1の戦う姿勢


チーム一の元気印・平野はリーグ戦初出場となった3年秋、代打要員から実績を積み上げ、先発出場のチャンスを得た。早大2回戦は2安打1打点で、9打数6安打3打点と打撃好調である[写真=矢野寿明]


 平野太陽(3年・春日高)からは、チームでNo.1という「戦う姿勢」を感じる。

 平野は今秋、3年秋にリーグ戦初出場を遂げ、代打で結果を残し、明大2回戦に続き、2度目の先発に起用された早大2回戦では3打数2安打1打点。チーム唯一の得点となる犠飛を記録し、今季通算で9打数6安打3打点と、背番号15がチームに活気を与えている。

「自分に求められている役割は、チームに勇気を与え、元気づけること。打撃好調の要因? こういう練習をしてきたとかはなくて、ベンチに入れない控えメンバーが背中を押してくれているからです。必死にプレーしている。スタンドでもOBなど多くの方が応援してくれているので、良い姿を見せたいと思います」

 残り1カード。木村コーチは「4年生もできる限りベンチに入れ、勝つことが優先される。チームを一つにして東大戦に挑む。この2週間で立て直していきたいです」と意気込んだ。

 今秋で卒業する4年生として、何を残すのか。副将・岩本は背筋を伸ばして言った。

「4年生(のベンチ入り選手、先発メンバー)が少ない分、プレーで見せることはできない。ベンチワーク、声かけで後輩たちに残せる部分はある。4年生らしく、最後まで戦いたい」

 東京六大学野球は対戦5大学との「対校戦」。立大は今季初の勝ち点(2勝先勝)を目指して、いま、できることに集中する。

文=岡本朋祐
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