5年前のドラフトで注目を浴びたのは根尾[写真]、藤原、小園だった
ドラフトが豊作だったかは5年後、10年後に分かると言われている。今から5年前の2018年に開催されたドラフトで、目玉として注目された選手は
根尾昂(
中日)、
藤原恭大(
ロッテ)、
小園海斗(
広島)だった。期待値が高かった分、プロ入り後の成績は物足りなさが残るが来年以降にチームの不可欠な選手に大成できるか。最高得点は
近本光司、
木浪聖也、
湯浅京己が指名された
阪神に。ドラフト終了時点では「満足できるドラフトではない」など厳しい評価の声が上がったが、見事に覆した。
※表記選手は支配下ドラフトのみ。球団の順番は2018年度の順位より 広島、ヤクルト、巨人の採点は?
ショートとしてさらなる飛躍が期待される小園
広島 70点
1位 小園海斗 内野手 報徳学園高
2位
島内颯太郎 投手 九州共立大
3位
林晃汰 内野手 智弁和歌山高
4位
中神拓都 投手 市岐阜商高
5位
田中法彦 投手 菰野高
6位
正隨優弥 外野手 亜大
7位
羽月隆太郎 内野手 神村学園高
4球団が競合した小園を引き当てた。高卒3年目で遊撃の定位置をつかんだが好不調の波が激しいのがネックとなっている。今年は打撃不振で前半戦は2カ月以上のファーム暮らしだったが、夏場以降は復調してチームの核になった。2位の島内は今季42ホールドポイントをマークし、球団史上初の最優秀中継ぎ投手タイトルを獲得。7位の羽月は今季自己最多の14盗塁と存在感を示した。和製大砲として期待された林は殻を破れるか。
ヤクルト 40点
1位
清水昇 投手 国学院大
2位
中山翔太 外野手 法大
3位
市川悠太 投手 明徳義塾高
4位
濱田太貴 外野手 明豊高
5位
坂本光士郎 投手 新日鉄住金広畑
6位
鈴木裕太 投手 日本文理高
7位
久保拓眞 投手 九州共立大
8位
吉田大成 内野手 明治安田生命
「外れ外れ1位」で獲得した清水は21年に歴代最多の50ホールドをマーク。同年からのリーグ連覇に貢献し、球界を代表するセットアッパーに。ただ、2位以降で現在も在籍しているのは、パンチ力に定評がある4位の濱田のみ。市川、久保、鈴木は今季限りで戦力構想から外れ、退団が決まった。8人を指名して、2人しか残っていないのは寂しい。厳しい採点となった。
巨人 75点
1位
高橋優貴 投手 八戸学院大
2位
増田陸 内野手 明秀日立高
3位
直江大輔 投手 松商学園高
4位
横川凱 投手 大阪桐蔭高
5位
松井義弥 内野手 折尾愛真高
6位
戸郷翔征 投手 聖心ウルスラ高
このドラフトで大ブレークした代表格が6位の戸郷だろう。高卒2年目から先発ローテーションに定着し、昨年から2年連続12勝とエースに飛躍した。2位の増田陸、4位の横川は素材として光るものを見せているだけに来年が勝負の年になる。1位の高橋は21年に11勝をマークしたが、その後は伸び悩んでいる。松井は21年限りで戦力外に。残る5人のうち4人が高卒の選手であることから、今後の活躍次第で採点が上がる可能性は十分にある。
DeNA、中日、阪神の採点は?
DeNA 65点
1位
上茶谷大河 投手 東洋大
2位
伊藤裕季也 内野手 立正大
3位
大貫晋一 投手 新日鉄住金鹿島
4位
勝又温史 投手 日大鶴ヶ丘高
5位
益子京右 捕手 青藍泰斗高
6位
知野直人 内野手 BCL・新潟
3位の大貫は安定感が売りで2度の2ケタ勝利をマーク。球団の期待に十分に応えていると言えるだろう。上茶谷は先発で伸び悩んでいたが、救援に配置転換された今季は自己最多の46試合登板で防御率2.11と奮闘した。6位の知野は走攻守三拍子そろったプレースタイルで、内外野守れることから重宝されている。能力は高いだけに、今季ブレークした
関根大気のようにレギュラーをつかめるか。
中日 60点
1位 根尾昂 内野手大阪桐蔭高
2位
梅津晃大 投手 東洋大
3位
勝野昌慶 投手 三菱重工名古屋
4位
石橋康太 捕手 関東第一高
5位
垣越建伸 投手 山梨学院高
6位
滝野要 外野手 大商大
現時点での採点は高いとは言えないが、巨人と同様に今後の伸びしろが期待される選手たちが多い。大阪桐蔭高で投打の二刀流で活躍した根尾は遊撃で入団したが、昨季途中から投手に専念。今季のシーズン終盤で成長した姿を見せた。梅津はコンディションが万全なら2ケタ勝利をクリアできる力を持っている。勝野は今季20ホールドと救援で素質を開花。石橋も近未来の正捕手として期待される。
トップバッターとして阪神をけん引している近本
阪神 95点
1位 近本光司 外野手 大阪ガス
2位
小幡竜平 内野手 延岡学園高
3位 木浪聖也 内野手 Honda
4位
齋藤友貴哉 投手 Honda
5位
川原陸 投手 創成館高
6位 湯浅京己 投手 BCL・富山
阪神の球団史に残る「黄金ドラフト」だ。近本は藤原、
辰己涼介をクジで外して「外れ外れ1位」の指名だったが、4度の盗塁王を獲得。5年間で通算773安打とシーズン平均150安打を超えるペースで打ち続け、球界屈指のリードオフマンとして活躍している。木浪も正遊撃手として今季18年ぶりのリーグ優勝に貢献。湯浅は昨季43ホールドをマークし、WBCでも侍ジャパンのリリーバーとして力投した。小幡も内野の中心選手として期待値が高い。
写真=BBM