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ソフトバンクに移籍のウォーカー 他球団から「本塁打王を狙える強打者」の警戒が

 

守備の負担から解放されれば


今季は57試合の出場で6本塁打に終わったウォーカー。パ・リーグで輝きを放てるか


 V奪回に向け、かつての常勝球団が動いた。巨人のアダム・ウォーカーとソフトバンク高橋礼泉圭輔の交換トレードが11月6日、両球団から発表された。

 ウォーカーは来日1年目の昨年は124試合出場で打率.271、23本塁打、52打点をマーク。メジャー経験がなく、推定年俸30万ドル(約3400万円)と注目度が高いわけではなかったが、異国の地で見事に輝きを放った。同年オフに3倍増の年俸1億円で2年契約を結び、さらなる飛躍が期待されたが、不安を抱える外野の守備がネックになった。今季は春先から打撃の状態が上がらなかったことも響き、57試合出場と激減。打率.263、6本塁打、20打点と結果を残せなかった。

 ただ、決して日本野球で通用しないわけではない。他球団の首脳陣は「指名打者のあるパ・リーグ向きの選手。変化球を打つのがうまく、長打力だけでなく確実性も兼ね備えている。守備の負担から解放され、シーズンを通じて出場すれば打撃タイトルを狙えるでしょう。日本で実績がある選手だし、未知数の助っ人を獲得するより計算できる。効果的な補強をしたと思います」と警戒を強める。

外国人打者が稼働しなかったソフトバンク


 3年連続V逸となったソフトバンクは、助っ人外国人が稼働しなかったことが大きな誤算だった。右の強打者として期待されたウイリアン・アストゥディーヨは20試合出場で打率.136、1本塁打、昨年の秋季キャンプでテスト生として参加して入団を勝ち取ったコートニー・ホーキンスが3試合出場のみと稼働しなかった。メジャー通算1102試合出場の実績を持つ来日2年目のフレディ・ガルビスも19試合出場で打率.152、0本塁打と振るわず。シーズン途中にアルフレド・デスパイネが復帰したが、20試合出場で打率.071、0本塁打と結果を残せなかった。

 打線は今季リーグトップの536得点を叩き出したが、柳田悠岐近藤健介に依存している部分が大きい。ソフトバンクの主力打者は柳田、近藤、中村晃栗原陵矢柳町達牧原大成と左打者が多いことから、右で主軸を張れるウォーカーは貴重な存在だ。セ・リーグからパ・リーグに移籍するが不安はないだろう。昨季の交流戦では打率.296、5本塁打、11打点をマーク。今年もリーグ3連覇を飾ったオリックスとの3連戦で打率.583、2本塁打、5打点と大暴れしている。

 新天地での活躍に向け、モチベーションは高い。トレードでソフトバンクへの加入が決まり、「ハロー、福岡! 今回こうして福岡ソフトバンクホークスに加入することができとても感謝しています。これまでホークスのすばらしさをたくさん聞いてきましたので、その一員になれることにワクワクしています。2024年シーズンが待ちきれません。新しいチームメイトと会える日が楽しみです。一緒にチャンピオンシップを獲得するためにベストを尽くします!」と球団を通じてメッセージを発表した。

ロッテに刺激になる存在


 指名打者での起用が多くなると見られるが、外野の守備に就く機会も十分に考えられる。来日当初よりは見違えるほど上達しており、本人も懸命に取り組んでいることからまだまだ伸びしろが十分だ。

 同一リーグの助っ人で良い刺激になる存在がいる。巨人で昨年ともにプレーし、親交が深いグレゴリー・ポランコだ。ロッテに移籍1年目の今季は打率.242、26本塁打、75打点をマーク。1986年の落合博満以来球団史上37年ぶりとなる本塁打王に輝いた。ウォーカーも打者としての資質は決してポランコに見劣りしない。来季は本塁打王を争う活躍でV奪回の救世主になれるか。

写真=BBM
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