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【大学野球】ドライチでプロ入りを目指す環太平洋大・徳山一翔 低め直球の伸びは目を見張る球質

 

昨年に続き大学日本代表候補強化合宿に参加


環太平洋大の152キロ左腕・徳山は2024年のドラフト候補である[写真=矢野寿明]


[明治神宮大会大学の部・2回戦]
11月18日(神宮)
慶大7−0環太平洋大(7回コールド)

 環太平洋大・徳山一翔(3年・鳴門渦潮高)が信じられるのは、ストレートだった。

 慶大との2回戦は、0対5の7回裏に1点を追加された。無死満塁で152キロ左腕が五番手として救援。1失点すれば、大会規定により、コールドゲームが成立する。あとがないマウンドで、1人目は三球三振に斬った。2人目は2ストライクに追い込んでから、ファウルで粘られる。6球目の低めのボール球は150キロ。これでフルカウント。力と力の勝負も、4球、ファウルで粘られ、最後は根負け。高めに入った147キロの11球目をレフト前に運ばれた。7対0で試合は終わった。

「あそこでもう一つ、変化球でカウントを取れれば、一つ上のレベルに行けるようになる」

 環太平洋大・野村昭彦監督は徳山に対して、総合的なレベルアップを求めた。徳山も「決め球として使える変化球を習得していきたい」と、課題を自覚している。

 昨年の同大会1回戦(対国際武道大)では、7回無安打無失点の快投(3投手によるノーヒットノーランを達成)を見せ、強烈なインパクトを残した。

 今大会も東農大北海道オホーツクとの1回戦で、7回1失点(11奪三振)で勝利投手(チームは8回コールド勝利)。野村監督は慶大との2回戦は疲労を考慮し、中1日での先発を回避。指揮官は7回から終盤3イニングを準備させていたが、思わぬ劣勢の展開となった。

 環太平洋大は昨年に続き、2回戦敗退。準決勝進出を逃したとはいえ、徳山のキレのあるボール、特に低めへのストレートの伸びは、目を見張る球質だった。2024年のドラフト候補に挙がり、徳山は「ドラフト1位」でのプロ入りを目指している。12月1日からは、大学日本代表候補強化合宿(愛媛・松山)がある。昨年に続いての参加であり「持ち味であるストレートに、良くなってきているチェンジアップと、存分に実力を発揮していきたい」とアピールを宣言。また、「体の使い方、変化球、真っすぐの質、トレーニング、すべてを学んでいきたい」と意欲的に語った。

 野村監督は試合前「負けても、4年生は終わりだから良いが、3年生以下は泣くなよ」とクギを刺した。「3年生以下は、やることがある。ここが(活動拠点の)岡山ならば、すぐにでも練習したいぐらい……。今年は昨年より(3年生以下は)いい顔をしていた。投手、野手もメンバーは残っている。来年はやり返します」。指揮官はリベンジを固く誓い、エース・徳山を切り札に、悲願の日本一を目指す。

文=岡本朋祐
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