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【大学野球】“東京六大学のエース”慶大・外丸東眞が140キロ前後の直球でも好投する3つの理由

 

高いゲームメーク能力


慶大・外丸は安定感のある投球が特長。抜群の制球力から「精密機械」とも呼ばれている[写真=矢野寿明]


[明治神宮大会大学の部・2回戦]
11月18日(神宮)
慶大7−0環太平洋大(7回コールド)

 東京六大学のエース。貫録の投球である。

 慶大の右腕・外丸東眞(2年・前橋育英高)は環太平洋大との2回戦を7回6安打無失点に抑え、7回コールド勝利に貢献した。3、5回を除いて走者を出したが、本塁は踏ませない。ゲームメーク能力の高さを披露した。

 この日の最速は144キロ。剛速球はない。140キロ前後のストレートでも抑えられるのはなぜか。3つの理由がある。

 まずは、ストライク先行。慶大の投手陣全体の約束事であり、投手優位のカウントを整え、テンポの良い投球を徹底している。

 次に、打者を見て投げられること。今大会はトーナメントで、初対戦の打者ばかり。相手の動きを細かくチェック。得意のスローカーブを織り交ぜ、的を絞らせないクレバーな投球が光る。「初球、2球目は力を抜いて、カウント1ボール2ストライクを作り、そこから力を入れて投げる」と、ピッチングの強弱を心得ている。コントロールに絶対の自信を持っており「低めに集め、ゴロを打たせる」。この日も4奪三振、1四球と持ち味を発揮した。

 そして、唯一無二の武器となっているのが投球フォームである。慶大・中根慎一郎助監督によれば「角度が違う」と、フォームの特長を語る。人よりもかなり低い位置から肘が出てくるため、ボールの出どころが見づらい。

 最速149キロ。外丸は自身の良さを生かしながらも、150キロの大台突破にとどまらず、155キロを見据えている。2年後のプロ入りを目標とするにあたり「150キロ超を連発していかないといけない。球速アップがこの冬の課題です」と、レベルアップを目指す。

4年ぶりの「秋日本一」へ


 慶大は今大会、この日の2回戦から、勝ち上がれば決勝まで3連戦という過密日程が組まれている。「3連投? 行こうと思えば行けますが……(苦笑)。中1日であれば、この秋も経験している。4年生と最後まで野球をやるために、力を振り絞りたい」。今秋の東京六大学では6勝無敗で、ベストナインを初受賞した。1回戦、そして、中1日の3回戦でも先発として、安定感ある投球を見せてきた。

「(早慶戦で)リーグ優勝したその夜、関学生コーチ(展里、4年・慶應義塾高)を中心に『僕たちの目標は日本一。もう一度、チームをつくっていこう』と確認し合ったんです。一戦必勝で、次の試合につないでいきたい」

 慶大、4年ぶりの「秋日本一」へ。2年生エースは、最高の準備でスタンバイする。

文=岡本朋祐
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