週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

中日の助っ人は精鋭揃い? 来季2ケタ勝利が期待される「秘密兵器」は

 

「掘り出し物」と評価急上昇


今季途中に来日し、3勝をマークしたメヒア


 球団史上初の2年連続最下位に沈んだ中日。大きな誤算だったのが、中軸で期待された助っ人外国人たちが機能しなかったことだ。

 メジャー通算41本塁打の触れ込みで加入したアリスティデス・アキーノは20試合出場で打率.154、1本塁打、6打点。日本野球に対応できず5月1日にファーム降格すると、再び一軍に昇格することはなかった。3年ぶりに復帰したソイロ・アルモンテも28試合出場で打率.189、1本塁打、2打点と期待外れの結果に。ダヤン・ビシエドは91試合出場で打率.244、6本塁打、23打点と来日8年目で打撃3部門がいずれも自己ワーストの数字だった。

 ただ、助っ人たちが期待外ればかりというわけではない。オルランド・カリステは47試合出場で打率.233、5本塁打、13打点。数字は物足りないが、シーズン終盤に打撃で成長の跡を見せて来季に可能性を抱かせた。昨年最優秀中継ぎ投手賞を受賞したジャリエル・ロドリゲスが亡命するという想定外の事態を受け、7月下旬に獲得したマイケル・フェリスはセットアッパーで19試合登板し、1勝0敗9ホールド、防御率3.14をマーク。そして、「掘り出し物」と評価が急上昇したのがウンベルト・メヒアだ。

強みは制球がまとまっていること


 先発の柱で期待された大野雄大が4月に左肘の遊離軟骨除去手術を受けて長期離脱に。先発要員の緊急補強で白羽の矢を立てられたのが、メヒアだった。今年3月に開催されたWBCでパナマ代表として出場。2試合で計4回無失点の好投を見せた。身長193cmの長身から投げ下ろす150キロ前後の直球は威力十分。変化球はスライダーを軸に、チェンジアップとナックルカーブを操る。中南米の投手は制球がアバウトなイメージが強いが、メヒアの強みは制球がまとまっていることだ。

 5月下旬に入団すると、7月8日の広島戦(バンテリン)で6回1失点に抑え、来日初勝利をマーク。「今季途中にドラゴンズに加入して、7月8日の広島戦で初勝利を挙げられた。しかも本拠地・バンテリンだったから本当にうれしかった。登板は(来日して)3度目だった。それをメディアに伝えられて『3度目の正直』という言葉が日本にあると知ったんだ。実は、母国・パナマの公用語・スペイン語にも同じ意味を持つフレーズがあるんだ。『La TERCERA LaVencida』と言うんだけど、スペイン語を操る人なら誰でも知っている言葉だよ。自分では『やるかやられるか』、『次はうまくいくさ』というように解釈しているんだ。これからもチームの勝利に貢献できるように、頑張って投げるつもりだよ」と週刊ベースボールのインタビューで語っていた。

 その後の登板でもきっちり試合を作り、大崩れしない。8試合登板で3勝1敗、防御率2.23の好成績をマーク。中日を取材するスポーツ紙記者は、「高い水準でまとまっている投手。26歳とまだまだ発展途上で伸びしろがあります。打線の援護との兼ね合いがあるが、決め球の精度を高まれば2ケタ勝利を達成できる力を持っている」と期待を込める。

チーム内の良きお手本


 良きお手本となる先輩がいる。育成入団で球界を代表する守護神に上りつめたライデル・マルティネスだ。来日6年目の今季は開幕から36試合連続自責点ゼロを記録するなど、48試合登板で3勝1敗32セーブ9ホールド、防御率0.39と驚異的な安定感だった。

 助っ人外国人はR.マルティネス、カリステ、フェリス、メヒアに加え、新たに左の長距離砲でアレックス・ディッカーソン(米独立リーグ・ロングアイランド)の獲得が発表された。ビシエドは来季から日本人扱いとなるが、さらに助っ人野手を補強する可能性があり、メヒアは外国人選手の一軍登録4枠に生き残らなければいけない。投球だけでなく登板後にベンチの最前列でナインを鼓舞する姿が印象的で、中日ファンの心をがっちりつかんでいる。チーム再建の救世主へ。ジャパニーズドリームをつかめるか。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング