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【大学野球】こだわりは大きく振りかぶるワインドアップ “超目玉”から3球三振も奪った関大・金丸夢斗

 

山口高志氏のアドバイス


関大のエース左腕・金丸はワインドアップから最速153キロを投げ込む[写真=牛島寿人]


 昨今、走者がいなくても、セットポジションを選択する投手が多い。関大の153キロ左腕・金丸夢斗(3年・神港橘高)は大きく振りかぶるワインドアップで投げるのがこだわりだ。

「高校まではノーワインドアップでした。大学入学以降、ワインドアップにしたんです。これが自分には合った。体重移動がしやすい」

 教わったのは母校・関大で指導する山口高志アドバイザリースタッフ(元阪急)だ。関大時代は通算46勝、シーズン100奪三振、68イニング無失点と現在も残る連盟記録を打ち立てた。NPB通算50勝。引退後は阪神のほか、投手コーチとして手腕を発揮してきた。

「どうもセットポジションは、納得がいかない(苦笑)。関西大学野球部にいる40人のうち37人は、セットポジションから投げています。金丸については、大きくしたほうが、自身のためになると。大きく見えますし、バッターの目線が動く。つまり、タイミングを外すメリットもあります。指導者として金丸のような良い選手と出会えるのは財産。自分自身も、成功体験として、引き出しが増えるからです」(山口アドバイザリースタッフ)

母校・関大を指導する山口アドバイザリースタッフは「素材的には、持っている」と、潜在能力に太鼓判を押す[写真=BBM]


 山口アドバイザリースタッフは金丸の出身校・神港橘高(市神港高と兵庫商高が再編・統合)の前身である市神港高OBと、高校・大学の先輩後輩の関係にある。出会いは高校3年生6月だった。山口アドバイザリースタッフは緊急事態宣言明けに、OBからの情報を通じて視察。「好投手になると確信した」と、すぐに現場に推薦し、入学が決まった。

 同夏はコロナ禍で甲子園をかけた地方大会は中止。金丸は県高野連主催の県大会8強(5回戦で打ち切り)で高校生活を終えた。

 23年12月まで関大コーチで24年1月、監督に就任する小田洋一氏は「回転の良い真っすぐでカウントを取り、ストレートで抑えることもできる。23年から変化球の精度が上がり、どの球種でも勝負できる」と成長を語る。3年秋は6試合で6勝0敗、防御率0.35、奪三振率13.06(51回で74奪三振)と圧倒し、関西学生リーグ秋3連覇に貢献した。

 8四死球と制球力も抜群である。2年秋に習得したスプリットに絶対の自信があり「自分のベストの投球ができれば、三振が取れる」と手応えを語る。12月上旬、大学日本代表候補合宿の紅白戦では、最大の見せ場を作った。2024年ドラフトで「超目玉」と言われる明大・宗山塁(3年・広陵高)から三振を奪った。しかも、3球勝負の圧巻の内容だった。

「初球は外真っすぐを見逃し。2球目は外角ギリギリのスライダー(見逃し)。ストレートが良かったので、『逃げることもないな』と、外の真っすぐで空振り。(宗山との対戦は)注目されると思っていましたので、そこは意識しました」。自己最速に1キロに迫る152キロを計測。「ドラフトはもちろん、上位で行きたいです」と、最終学年を前に弾みをつけた。

「春のリーグ戦を制し、全日本大学選手権での日本一が目標です」

 関西学生リーグでは、2年春の途中から18連勝中。2024年春、山口アドバイザリースタッフの持つリーグ記録21連勝を達成し、先輩に恩返ししたいところだ。「金丸の在学中に勝ちたい。春にとにかく、良いスタートを切ってほしいです」。関大の最後の日本一は、山口アドバイザリースタッフがエースだった1972年。金丸は大きくふりかぶるワインドアップから、キレあるボールを投げ込んでいく。

文=岡本朋祐
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