週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

門別啓人、梅津晃大、浅野翔吾…来季大ブレーク期待の選手は【セ・リーグ編】

 

 38年ぶりの日本一に輝いた阪神で、救世主となったのが昨季まで未勝利だった村上頌樹だった。開幕当初は救援要員だったが、先発に抜擢されると10勝6敗1ホールド、防御率1.75と大ブレーク。最優秀防御率、MVP、新人王を獲得した。きっかけをつかめば、野球人生は大きく変わる。セ・リーグで来季に大ブレークが期待される選手を、球団別に挙げてみた。彼らの活躍がチームの命運を左右すると言っても、決して大げさではないだろう。

阪神・門別


阪神・門別啓人
今季成績 2試合登板、0勝0敗、防御率3.38
通算成績 2試合登板、0勝0敗、防御率3.38

 層の厚い阪神の先発陣に割って入る可能性がある新星が門別だ。秋季キャンプのブルペンで左腕をムチのようにしならせ、手元で伸びる直球、キレ味鋭いスライダーを見守った岡田彰布監督は「楽しみどころちゃうよ。(他球団に)隠しときたいよ」と絶賛していた。高卒1年目の昨季はウエスタン・リーグで2勝2敗2セーブ、防御率2.78をマーク。プロ初先発となった9月30日の広島戦(マツダ広島)で5回無失点ときっちり試合をつくった。春先に先発ローテーション入りを勝ち取れば、2ケタ勝利は現実的な目標になる。

広島・田村


広島・田村俊介
今季成績 10試合出場、打率.364、0本塁打、0打点、0盗塁
通算成績 10試合出場、打率.364、0本塁打、0打点、0盗塁

 今オフに西川龍馬オリックスへFA移籍。攻守で中心選手だっただけに戦力面で痛手だが、若手にとっては大きなチャンスを意味する。外野の定位置を目指す若手成長株の筆頭格が田村だ。高卒2年目の今季一軍デビューを飾り、9月12日のヤクルト戦(神宮)からは6試合連続安打をマーク。バットコントロールが巧みで変化球に崩されない。死球を受けて「左小指中手骨骨折」で戦線離脱したが、大きな可能性を抱かせた。秋山翔吾野間峻祥末包昇大が並ぶ外野陣に割って入れるか。

DeNA・森


DeNA・森敬斗
今季成績 9試合出場、打率.167、0本塁打、1打点、1盗塁
通算成績 122試合出場、打率.217、2本塁打、12打点、10盗塁

 ドラフト1位で入団して4年目を終えた。能力を考えれば遊撃のレギュラーに定着してほしい選手だけに、首脳陣は歯がゆいだろう。昨季は61試合に出場したが、今季は出場機会が激減。4月中旬に左鼻骨骨折、8月上旬に右手有鈎骨摘出手術と故障が相次いだ影響もあり、シーズンの大半をファームで過ごした。俊足、強肩で華やかなプレースタイルだが、攻守でプレーの精度が高いとは言えず、打撃は確実性を磨く必要がある。遊撃はレギュラーが固まっていない中で、森が殻を破れるか。

巨人・浅野


巨人・浅野翔吾
今季成績 24試合出場、打率.250、1本塁打、2打点、0盗塁
通算成績 24試合出場、打率.250、1本塁打、2打点、0盗塁

 ドラフト1位で入団した高卒1年目の今季は7月に一軍へプロ初昇格。8月18日の広島戦(マツダ広島)で、森翔平から左翼席にプロ初アーチを放った。身長171センチと体格に恵まれているとは言えないが、筋肉質な肉体から力強いスイングで長打を放ち、ミート力も兼ね備えている。外野陣は今季頭角を現した秋広優人丸佳浩梶谷隆幸ら実績十分の選手がそろっているが、レギュラーが確定しているポジションは1つもない。特に中堅は最激戦区。浅野にも十分にチャンスはある。

ヤクルト・宮川[写真は西武時代]


ヤクルト・宮川哲
今季成績 4試合登板、1勝2敗、防御率7.16
通算成績 127試合登板、5勝5敗1セーブ20ホールド、防御率4.29

 今回取り上げた選手は若手の成長株が多い。28歳右腕の宮川は西武在籍時に救援で実績があるため立ち位置が違うかもしれないが、新天地で大きな飛躍が期待される投手だ。先発に転向した今季は思うような結果を残せなかったが、イースタン・リーグで6勝2敗、防御率2.45をマークし、最優秀防御率のタイトルを獲得。今オフにトレードで移籍したヤクルトは先発の層が薄い。昨オフにソフトバンクから阪神に移籍し、自己最多の12勝を挙げた大竹耕太郎(阪神)のように大ブレークすれば、V奪回がグッと近づく。

中日・梅津


中日・梅津晃大
今季成績 3試合登板、1勝1敗、防御率0.95
通算成績 19試合登板、7勝6敗、防御率2.58

 この投手が先発ローテーションで1年間回ったらどんな成績を残すのか。底知れない可能性を秘めている右腕が梅津だ。プロ入り後に右肘、右肩の痛みで満足に投げられず、昨年3月にトミー・ジョン手術を受けた。今年8月に一軍に復帰すると、150キロを超える力強い直球とスライダー、フォークを織り交ぜて打者を制圧していた。187センチの長身から投げ込むシルエットは大谷翔平(ドジャース)と重なる。2年連続最下位から上位浮上へ。梅津の覚醒を中日ファンは心待ちにしている。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング