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巨人の左翼の定位置争う丸佳浩と秋広優人…他球団から「意外な評価」が

 

レギュラーが固まっていない外野


今年で4年目を迎える秋広。レギュラーを完全につかむことができるか


 若返りが進むか、ベテランが意地を見せるか――。巨人でレギュラー争いが注目されるのが外野陣だ。3枠のポジションすべてでレギュラーが決まっていない。阿部慎之助新監督はスポーツ報知のインタビューで、丸佳浩秋広優人を左翼で競わせる方針を語っている。他球団の首脳陣は、こう分析する。

「どちらも怖い打者ですよ。秋広は生粋のホームランバッターではなく、打率と本塁打を高い水準の数字で残せるタイプ。ヒットゾーンが広く、詰まって左翼の前に落とせるのは打撃技術が高い証拠です。まだ21歳という年齢を考えると末恐ろしい。丸は浮き沈みが激しい部分があるが、爆発力がある。六、七番にああいう打者がいたら投手は息を抜けない。選手寿命が長くなっている中で、34歳はまだまだ老け込む年ではない。常時スタメンで起用すればきっちり結果を残す選手ですよ」

 秋広は球団歴代最長身タイの身長2メートル。2022年から球界を代表する長距離砲として活躍した松井秀喜氏(現ヤンキースGM付特別アドバイザー)が背負った背番号55を継承したことが期待の大きさを物語っている。規格外のスケールで打球を遠くへ飛ばし、変化球を器用にさばく柔軟性も併せ持つ。素質の片鱗を見せたのがプロ3年目の昨季だった。規定打席に4打席足りなかったが、121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点をマーク。5月下旬以降は三、五番とクリーンアップを3カ月務めた。調子が落ちたシーズン終盤はスタメンを外れる機会が増えたが、その活躍ぶりは十分に合格点を与えられる。

シンプルな形で


 秋広は昨年6月に週刊ベースボールのインタビューで、好調の要因について以下のように語っている。

「キャンプのときは形というか、フォームを気にし過ぎてしまっていて、相手のピッチャーに対して対応することができていませんでした。ファームに落ちて、二岡(二岡智宏)監督(現巨人ヘッド兼打撃チーフコーチ)から『もう少しシンプルな形にして、打ち方はあまり気にせず、しっかりピッチャーが投げてくるボールに対応していこう』というアドバイスをしてもらってからは、気が楽になったというか。待ち方や構えもシンプルにして、しっかりピッチャーに対してやっていくことができるようになりました。それが要因かは分からないですけど、自分としてはすごく大きいのかなと思っています」

 大きく飛躍したが、外野で確固たる地位を確立したわけではない。外野の守備能力を高める必要があり、打撃でも対左投手は昨年打率.210と対応に試行錯誤した。打率3割、30本塁打をクリアできる資質がある素材だけに、今年はチーム内の競争を勝ち抜いて中心選手となれるか。

規定打席に到達できず


昨年は納得いく成績が残せなかった丸。まだ老け込む年齢ではない


 野球人生の岐路を迎えているのが丸だ。昨季は121試合出場で打率.244、18本塁打、47打点。広島時代の12年以来11年ぶりに規定打席に到達せず94安打で、13年以来続いていたシーズン100安打以上も10年連続で途絶えた。

 守備の負担を減らすため長年守っていた中堅から右翼にコンバートされたが、3、4月は月間打率.180、1本塁打、4打点と絶不調に。チームにとっても大きな誤算だった。5月以降も好調の時期が長く続かず、他球団が恐れる「打ち出したら止まらない時期」がなかなか巡ってこない。選球眼が高いことで知られるがボール球に手を出す打席が目立ち、42四球は広島でレギュラーに定着した11年以降で自己最少。出塁率.316と低かった。

 阿部監督は、丸に攻守の中心選手として復活してほしい思いが強いだろう。一方で、秋広にも巨人を背負う逸材として突き抜けた存在になってほしい。2人がハイレベルなレギュラー争いを繰り広げれば、外野の2枠で同時にスタメン出場が選択肢になってくるだろう。

写真=BBM
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