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巨人で内野の控えはもったいない? 他球団が「野球センスは凄い」と評する内野手は

 

高卒2年目に50試合出場


今年で4年目を迎える中山。レギュラーを奪取することができるか


 巨人で不動の遊撃手だった坂本勇人の後継者として期待されるのが、プロ2年目の門脇誠だ。内野の高い守備能力とパンチ力ある打撃を武器に、昨年のシーズン終盤に遊撃のスタメンに抜擢された。今季も阿部慎之助新監督が遊撃のレギュラーで起用することを明言している。

 遊撃は体にかかる負荷が大きい。近年は度重なる故障で戦線離脱が目立った坂本の後継者を作ることは、巨人近年の大きなテーマだった。その中で、門脇が入団する前に「ポスト坂本」の有力候補と目されていたのが、中山礼都だった。高卒2年目の2022年。坂本が故障で戦線離脱した5月に湯浅大廣岡大志(現オリックス)と共に遊撃のスタメンでチャンスを与えられると、攻守で期待を抱かせるパフォーマンスを見せて起用され続けた。50試合出場で打率.198、0本塁打、3打点、3盗塁。球団OBの篠塚和典氏は週刊ベースボールの「連続写真に見るプロのテクニック」で中山の打撃フォームを以下のように分析していた。

「スイングにおいて下半身は回転しているのですが、下半身がまだ十分に強くないために回転の力自体が弱いというイメージです。インパクトの直前まで良いスイングに見えるのに、インパクトのあとに崩れてしまうのはそこに原因があるでしょう。結果的にしっかりと下半身を使うことができずに、上半身のテクニックだけで打つことになってしまっています。繰り返しますがスイングが悪いわけではないので、トレーニングによって下半身を強化することで変わっていくと思います」

昨年はチャンスをつかめず


 打撃ではまだまだ一軍の水準に達していなかったが、遊撃の守備力は「坂本の高卒2年目より上」という声が上がった。他球団のスカウトは、「仕草とかたたずまいが坂本と重なるよね。プレースタイルは違うけど、中山も野球センスは抜群。高校時代から抜きん出ていましたから。打撃も使い続ければ確実性を身につけていくと思う」と評していた。

 高卒3年目の昨季は坂本が開幕から極度の打撃不振に陥ったとき、遊撃のスタメンに起用された。世代交代なるか――。だが、その立ち位置をひっくり返すまでにはいかなかった。坂本が本来の状態を取り戻すと遊撃で試合に出続け、中山は代打や守備固めなど途中出場が主な役割になる。この間に頭角を現したのが中山の2学年上の門脇だった。ドラフト4位で入団した新星は俊足を生かした守備範囲と球際の強さ、強肩を武器に5月以降三塁のスタメンで出続けた。6月まで1割台だった打率も夏場以降はグングン上昇。その成長が認められ、坂本を三塁にコンバートさせる形で遊撃のレギュラーをつかんだ。

序列をひっくり返せるか


 中山が決して精彩を欠いたわけではない。開幕から最後まで一軍に帯同し、78試合出場で打率.239をマーク。打撃は成長の跡が見え、内野の守備も二塁、三塁、遊撃をこなした。高卒3年目の成績としては決して悪くない。だが、門脇が遊撃の定位置をつかむ活躍を見て悔しさは人一倍強かっただろう。

 今季は内野で二塁だけレギュラーが固まっていない。出場機会を増やすためには攻守で吉川尚輝を超えるパフォーマンスが求められる。「社会人No.1遊撃手」の呼び声が高いドラフト4位の泉口友汰も強力なライバルとなるが、負けるわけにはいかない。高卒で同期入団の秋広優人は昨季121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点とブレーク。中京大中京高で同学年の高橋宏斗(中日)もエースへの階段を上っている。中山も2月の春季キャンプ、3月のオープン戦から結果を出してチーム内の序列をひっくり返せるか。

写真=BBM
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