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【大学野球】慶大の優勝祝賀会が開催 相次いだ大学球界の「顔」堀井哲也監督への賛辞

 

就任4年で常勝チーム


優勝祝賀会は二部制。第一部の優勝報告会では歴代監督が祝辞を述べた。左から鬼嶋氏、後藤氏、江藤氏、大戸氏、相場氏、堀井現監督[写真=BBM]


 昨秋の東京六大学リーグ戦、明治神宮大会で優勝した慶大の祝賀会が1月27日、東京都内のホテルで行われ、約650人が出席した。

 第一部は優勝報告会、第二部は祝賀会の二部制で行われた。

 第一部。塾旗入場の後は、塾歌斉唱。そして、能登半島地震の犠牲者を追悼する黙とう。厳粛なムードの中で、式典はスタートした。

 2019年12月から母校・慶大を指揮するのは堀井哲也監督だ。21年に春秋連覇、全日本大学選手権で34年ぶりの日本一へと導くと、明治神宮大会準優勝。就任4年で常勝チームをつくり上げている。22年1月に全日本大学野球連盟の監督会会長、9月には大学日本代表監督に就任し、大学球界の「顔」。あいさつでは、堀井監督への賛辞の言葉が相次いだ。

「良いチームづくり、強いチームづくり。両方を成し遂げた」(三田倶楽部・後藤寿彦会長)

「昨年12月19日に優勝パレードを実施し、私、堀井監督、廣瀬主将(廣瀬隆太ソフトバンク)とオープンカーに乗車しました。寒いかな? と思ったのですが、(横の)堀井監督が温かいんです。コートを脱ぎ捨てるほど(笑)。温かい堀井監督がいるからこそ優勝できる(伊藤公平慶應義塾長)

「堀井監督が4年間をかけて、慶應の強さである組織力、チーム力を育んできた。堀井監督を支える中根(中根慎一郎)助監督の力も大きかった。4年生が頑張り、主将の廣瀬が背中で引っ張ってくれた。昨夏には高校(慶應義塾高)が甲子園優勝し、伊藤塾長が『今年ほど、若き血を聞いた年もない』と言っていましたが、皆で歌って塾が一体となる。慶應の応援は日本一だな、と。良い伝統が引き継がれるように、野球部員は精進していきたい」(加藤貴昭野球部長)

「次の世代に良いものを伝えられるようにしていきたい」


第一部の優勝報告会の冒頭で塾歌を斉唱。應援指導部がリードした[写真=BBM]


 次に歴代監督が登壇。堀井監督の恩師である福島敦彦氏がVTRメッセージで、教え子を祝福。その後、5人の元監督が語った。

「今年も私たちが熱い思いをするような活躍を、再現してほしいです」(大戸洋儀氏)

「私が指揮した10数年前と比べて、野球が変わった。進歩、進化している。ただ、基本は変わらない。練習した者が勝つ。やった者勝ちです」(江藤省三氏)

「監督としては(私と)ずいぶん差があるな、と(苦笑)。科学的分析に基づいた技術指導、人間的な指導も太刀打ちできない。大戸監督時代にリーグ3連覇をしており、堀井監督も目指してほしい。そのためには、石にかじりついても春の優勝。堀井監督ならば、できます」(後藤寿彦氏)

「ひたむきさ、魂のこもった野球で優勝を勝ち取ってくれた。堀井監督の野球を進化させて、神宮が超満員になるような東京六大学野球にしてほしい」(鬼嶋一司氏)

「前年からの中心選手が卒業し、正直、ここまでやるとは思いませんでした。よく成長したことに、敬意を表したい。素材では明治、法政には及ばない中で、4年生の結束が素晴らしかった。慶應義塾の教育理念である『独立自尊』。その気概が集まっての優勝だったと思います。伝統は受け継ぐものでありますが、同じことを繰り返していても勝てない。4年生が残した伝統を基に、3年生以下は新しいチームをつくってほしいです」(相場勤氏)

 歴代指揮官からの激励の言葉を受け、就任5年目・堀井監督は背筋を伸ばした。

「コロナ禍で苦しい時代を過ごしてきた中で、いろいろなことが戻ってきて、スポーツが持つ力。優勝して。選手たちが頑張ってくれました。今年1年、大先輩からお預かりしたチームを全身全霊、次の世代に良いものを伝えられるようにしていきたい」

 あいさつにもあったように2023年、慶大の下馬評は決して高くはなかった。だが、学生たちが日々考え、成長した。廣瀬ら主力の最上級生が卒業し、24年もゼロからのスタートを歩んでいる。未知数な部分が大きい分だけ、伸びシロがある。苦しみ抜いて、達成感を得る「エンジョイ・ベースボール」。今年も堀井監督のチームビルディングから目が離せない。

文=岡本朋祐
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