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【大学野球】東京六大学を代表する選手に…法大に入学した新人4選手の決意

 

兄の思いを背負って


法大の新入生が2月8日、報道各社の取材に応じた。左から土浦日大高・小森、日大山形高・菅井、石見智翠館高・今泉、花巻東高・熊谷[写真=BBM]


 法大に合格したスポーツ推薦組14人のうち、4選手が2月8日、報道各社の取材に応じた。

 法大は東京六大学リーグ戦で早大と並ぶ最多タイ46度の優勝を誇るが、2020年春を最後に天皇杯から遠ざかっている。

 花巻東高から初めて法大野球部の門をたたいた熊谷陸は「東京六大学の優勝回数で1位タイの名門大学でプレーしたいと思った」と志望理由を明かした上で「ここ数年、結果が出ていない。自分が優勝へ導けるような選手になりたい。少しでも早くリーグ戦に出場し、東京六大学を代表するような選手になりたい」と目を輝かせた。

 花巻東高では「二番・遊撃」で3年夏の甲子園8強。主な高校生で歴代1位とされる高校通算140本塁打の佐々木麟太郎とは、金ケ崎シニアからのチームメートである。「麟太郎からは『六大学の高いレベルで試合に出て、良いところを見せてほしい』と言われています。麟太郎もアメリカの大学で頑張り、(将来的には)メジャー・リーグであったり、高いレベルで頑張ってほしい」とエールを送った。攻守走、三拍子そろったプレースタイルが持ち味で、遊撃手へのこだわりが強く「ベストナインを獲りたいです」と意気込む。

 兄の思いを背負って入学したのは今泉秀悟(石見智翠館高)である。兄・颯太は昨年の法大主将で、今年からトヨタ自動車でプレーする遊撃手だ。出身地の愛知から島根の高校へ進学したのは「自立したかったのと、兄を超えたいと思った」のが理由。三塁手で出場した1年夏の甲子園3回戦(対日大山形高)でサヨナラ打を放つなど、8強進出に貢献し、兄は経験できなかった全国舞台で躍動した。

 3年時は主将を務め、兄譲りのリーダーシップの持ち主である。「兄が在籍していた影響と、東京六大学の高いレベルで野球がやりたい」と法大を志望。法大では中学時代に守っていた捕手で勝負する。「広角に強い打球を打つのが持ち味です。明るさを前面に出して、誰でもできることを当たり前にやることで、信頼を得ていきたい」と、抱負を語った。

あこがれの先輩から学んで


 本格派右腕2人も将来性が高い。

 昨夏の甲子園で4強進出に貢献した土浦日大高・小森勇凛は183センチの長身から、角度のあるボールを投げ込む。最速149キロ。「真っすぐに自信を持っており、強気に攻めるのがスタイル。大学でも持ち味を貫き通す」。好きな投手はオリックス山崎颯一郎で「顔が似ていると言われるんです(苦笑)。あこがれの存在です」と語り「まずは体を鍛えて、3年から主軸として投げられるように体をつくっていきたい」と展望を語った。

 日大山形高・菅井颯は昨夏の山形大会決勝で山形中央高の左腕・武田陸玖(DeNA)に投げ勝ち(6対4)、甲子園出場へと導いた147キロ右腕だ。武田とは「仲が良いです」とLINE等で交流があり、刺激し合っている。もともとは、将来の職業として警察官を志望していたが、昨夏の甲子園を経験したことで、野球で勝負していく覚悟が固まったという。184センチ。伸びシロ十分の大型右腕だ。

「同部屋である山城航太郎さん(新4年・福岡大大濠高)の真っすぐの強さを参考にしていきたい。(現状では)全部、平凡なので、この4年間で自分としての強みを確立し、神宮のマウンドに立ちたい」と控えめに語った。

 法大には大学球界を代表する157キロ右腕・篠木健太郎(新4年・木更津総合高)がいる。

「練習への取り組む姿勢。すべてが模範的。あこがれであり、ああいった先輩になりたい」(小森)

「グラウンド内、寮内でもストレッチを欠かさず行っている。体のケアを見習って、寮のゴハンをたくさん食べて、体を太くしていきたいです」(菅井)

 今年1月に就任した法大・大島公一監督は「無理はさせない」と、新1年生についてはじっくり育成する基本方針を固めている。例年よりも早い本隊への合流となり、まずは1日も早く、大学生活に慣れていく。

文=岡本朋祐
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