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巨人の25歳左腕の評価が急騰 「ドライチとそん色ない」の高評価が

 

投げるたびに能力の高さ証明


即戦力左腕としてキャンプからアピールを続けている新人・又木


 3月の実戦で一軍生き残りを目指した戦いが始っている。今年の春季キャンプは西舘勇陽(巨人)、武内夏暉(西武)、常廣羽也斗(広島)、下村海翔(阪神)、古謝樹(楽天)、細野晴希(日本ハム)ら大豊作と言われている新人の大学生投手たちに注目が集まったが、評価が急騰した左腕がいる。日本生命からドラフト5位で入団した巨人・又木鉄平だ。

 実戦で投げるたびに能力の高さを証明している。2月25日のオープン戦・ヤクルト戦(那覇)では、6回から救援登板して2回無安打無失点の快投。6回は宮本丈を3球三振仕留め、内山壮真は遊飛、濱田太貴を遊ゴロといずれも初球で仕留めた。7回は先頭打者の赤羽由紘に四球を与えて一死二塁のピンチを招いたが、増田珠を三ゴロ、長岡秀樹を遊飛で切り抜けて本塁を踏ませない。脱力したフォームからキレのある直球、チェンジアップ、スライダーを織り交ぜてアウトを重ねる姿は新人離れしている。

 他球団のスコアラーは「このキャンプでいろいろな新人を見てきましたが、現時点で一番仕上がっているのは又木ですね。能力で言えば、1位指名の投手たちとそん色ないですよ。救援で起用の可能性が高いと思いますが、長いイニングを投げられるので先発の適性もある」と分析する。

レジェンドOBも高評価


 球団OBの名投手の評価も高い。野球評論家の堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、こう評している。

「さらに支配下ドラフト5位で日本生命から入団した、同じくサウスポーの又木鉄平も即戦力として十分に期待できそうな実力を持っている。真っすぐは144、5キロ止まり。だが、腕の振りがよくて、チェンジアップ、スライダー、カットボールなどの切れ味抜群な変化球が持ち味である。しかも、腕が遅れて出てくるから、相手打者は実際の球速よりもボールを速く感じる。だから、振り遅れてしまう。この又木はまさに“掘り出し物”と言えるのではないかな。本人は昨年のファンフェスタの場で、プロではリリーフ起用を想定して、『回またぎの又木(またき)と呼んでください!』とアピールしていたと言うが、どうして俺は、又木の実力ならば十分に『先発起用もあり得る!』と高く評価している。」

 先発陣は戸郷翔征山崎伊織グリフィンメンデスの4本柱のほか、菅野智之赤星優志高橋礼横川凱、ドラフト1位の西舘らが残りの2枠を目指して競争を繰り広げている。又木はグリフィン、メンデスとタイプが違う左腕のため、先発でどのような投球を見せるか興味深い。一方で、救援陣は中川皓太高梨雄平バルドナードと左腕がそろっているが、回またぎでロングリリーフができる又木は貴重な存在になる。実績十分の先輩たちとプレーできることで得られるモノは大きいだろう。

下位入団から飛躍した先輩左腕


 セットアッパー、抑えで修羅場をくぐり抜けている中川は週刊ベースボールのインタビューで、「実績ある選手が何人か入ってきているので、僕もまったく安心できないというか、また今年も勝負だと思っています。一方で、単純に年下も増えてきた。自分が引っ張るというのは得意ではないんですけど、そうは言ってもやらなければいけないことがある。後輩のために力を貸すというのも先輩の仕事かなと思いますし。その上で、タイトルは一度も獲ったことがないし、獲ってみたい気持ちはある。それを達成するためには、チームとして一丸となって頑張らないと、獲れるものも獲れない。僕だけの力じゃなくて、ブルペンのみんなの力を借りないとできないこと。だからこそ、自分からチームを離脱することがないように、頑張りたいなと思います」と語っている。

 中川はドラフト7位入団で、チームに不可欠なリリーバーとして花を咲かせた。同じ左腕の又木もシンデレラボーイになれるか。オープン戦で開幕一軍入りに向け、アピールを続ける。

写真=BBM
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