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【大学野球】天皇杯奪還へ…早大が「強化」をテーマに浦添キャンプ

 

「彼らを信じる」


2019年1月1日から母校・早大を率いる小宮山監督。浦添キャンプでは打撃投手をこなし、選手の調子を見極めている[写真=BBM]


 早大が3月1日から沖縄の「ANA BALL PARK 浦添」でキャンプを張っている。初日から雨天続きで、なかなか思う存分、グラウンドが使えないが、隣接する室内練習場を有効利用。4日の午前中は球場内で練習を消化し、午後は室内と屋根のついたブルペンで集中力を高めたメニューをこなした。

 就任6年目の小宮山悟監督(元ロッテほか)は打撃投手として約30分、学生たちと1対1で対峙した。NPB通算117勝。現役時代に「投げる精密機械」「ミスターコントロール」と呼ばれた制球力は健在であり、リズム良く、ボールを投げ込んでいた。ネットの外から見ているだけでは理解できない。実際に「対戦」する中での感覚も大切にしている。

 Lケージから離れ、汗をぬぐった指揮官は今キャンプのテーマを「強化です」と語った。

「学生がそれぞれ、課題を持って取り組んでいる。(指導者側から)強制的なことはしない。学生たちは、何をすればいいのか、分かってくれていると思う。周囲からは『甘いな』と思われるかもしれませんが、信じる気持ちが大事。彼らを信じる」

 早大は左腕・早川隆久(楽天)が主将だった2020年秋を最後に優勝から遠ざかっている。

 昨秋は勝ち点(2勝先勝)を奪取したほうが優勝という早慶戦を1回戦で先勝し、王手をかけてから2、3回戦を落としV逸。振り返れば、21年秋はあと1点、22年秋はあと1勝で天皇杯に手が届いていない状況が続く。

「3年続けて、蓄積した悔しさがある。ラストイヤーを迎える4年生は毎年のように『自分たちの代で何とかしたい』と言ってくる。自分たちの代を犠牲にしてでも、下級生を押し上げていくことが必要な場面もあるかもしれない。いずれにしても、一つになったチームを作っていかないといけない4年生には期待している」(小宮山監督)

 主将・印出太一(4年・中京大中京高)、副将・吉納翼(4年・東邦高)のチームリーダー2人が目の色を変えて、白球を追っているのが印象的だった。指導者と学生のパイプ役である川内脩平新人監督(4年・八王子高)の役割もより重要になる。

 野球漬けのキャンプは16日まで練習が続き、期間中は5試合のオープン戦が組まれている。

 東京六大学リーグ戦開幕は4月13日。早大は開幕カードで立大と対戦する。天皇杯奪還へ、沖縄での鍛錬が、春の栄冠へとつながる。

文=岡本朋祐
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