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首都大学リポート

1年ながらスタメンに抜擢の帝京大・森田大翔 指揮官は「大きく育ってほしい」と強い期待【首都大学リポート】

 

縁があって帝京大へ


履正社高で活躍した森田は、帝京大でも実力を発揮。大学第1号のホームランボールを手に笑顔を見せた


【5月4日】首都大学一部リーグ戦
帝京大10−0桜美林大
(帝京大1勝)

 首都大学リーグ第5週1日目。4季ぶりに復帰した一部リーグで、東海大と並び首位を走る帝京大。その好調なチームのなかで1年生ながらスタメンに抜擢されているのが森田大翔(1年・履正社高)だ。

 森田は履正社高で昨年、春夏連続甲子園に出場。夏の選手権では鳥取商高との1回戦と高知中央高との2回戦で2試合連続ホームランを放った。

「春のセンバツは初戦で負けて悔しい思いをしたので、夏は『その悔しさを取り返そう』と思っていました。いつも試合をする時はチームを勝たせることを意識していて、結果は後からついてくると思っているのですが、ホームランもその意識のなかで打つことができました。夏の甲子園は3回戦で負けてしまいましたが、やり切れたという思いがあったので良い思い出になっています」

 大会後には侍ジャパンU-18代表に選出され四番も任された。ただ、チームは初の金メダルを獲得した一方で、森田は思うような結果を残せず。特に侍ジャパン大学代表との試合ではレベルの違いを感じたという。

下村海翔さん(青学大−阪神)と対戦したのですが、カットボールがグッと鋭く曲がってくるので、このボールを打たないとプロへは行けないんだと感じました。バッターでは上田希由翔さん(明大−ロッテ)がバッティング練習しているところを見学したのですが、そのパワーと打球の速さに驚きました」

 プロ志望届を提出したものの、ドラフト会議で指名の声は掛からず。帝京大に進学することとなった。

「自分は2年秋から試合出場するようになったのですが、その前の1年冬に当時の履正社高の先輩を見に来た唐澤良一監督から声を掛けていただいたことがあったんです。その縁もあって帝京大に進学することになりました」

 帝京大に入った当初は「寮生活をするのは初めてですし、バットも木製になったので、日常生活も野球も慣れるまでに時間がかかりました」。なかなか実力を発揮できずにいた。

桜美林大戦で大学第1号


 リーグ戦初出場は第2週の筑波大2回戦。初打席は空振り三振に終わったが、翌週の東海大1回戦では「五番・DH」で初先発を果たすと、1回裏の第1打席で二死二、三塁からセンターへ先制となる2点適時打を放った。

「唐澤監督から『初球から思い切って行け』と言われていたのですが、バットを振ったことで緊張がほぐれました」

 第2打席でもタイムリーを放ち、2安打3打点と活躍。「ここに来てコンディションも良くなり、調子が上がってきました。また、これまでは突っ込んでしまうクセがあったのですが、修正してきました」。また、練習で素振りをする時は「さまざまなピッチャーに対応するためにはいろんなスイングも必要なので上からのダウンスイングと下からのアッパースイングを同じ数くらい振って、それからその中間でスイングをしています。この練習をすることで打席でのとっさの場面で役に立っていると感じています」という。

 唐澤監督も「森田は1年生のなかでも一番じゃないかというくらい一生懸命に練習していますし研究熱心」と認めており、「大きく育ってほしい」と今後の成長に期待をかける。

 この日の桜美林大1回戦でも五番・DHで先発出場した森田は2回裏。初球のストレートをたたいてレフト線へ、先制点の呼び水となるツーベース。さらに、3回裏には一死一、三塁のチャンスで打席に立つと「追加点が欲しい場面だったので、1点でもランナーを返したいと考えていました」とカーブを振り抜いた打球はレフト芝生席に飛び込む大学第1号の3ランとなった。

 この一打でリードを広げた帝京大はエース・榮龍騰(4年・津田学園高)が6回1安打無失点の好投。打線も13安打で10得点を挙げ、10対0の8回コールドで桜美林大に先勝した。

「試合に出ても、出ていなくても、自分の役割をまっとうし、レギュラー確保に向けて良い結果が出せるようにしていきたい。目標は優勝なので、最後まで勝ち続けたいです」と話す森田。そして、「唐澤監督からは『焦らずに一つずつ課題に取り組んでいけばプロに行ける』と言われていますし、帝京大は元気があって良いチームなので、ここで4年間がんばってプロへ行きたいです」と4年後には最高峰の舞台でプレーすることを目指す。

文&写真=大平明
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