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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム第101回「イチローがミスターになった!」

 

イチローの会見。最後まで見ちゃいました


肉体と感覚のズレ


 いやあ、長かった。でも、最後まで見ちゃいました。

 何の話か分かりますよね? 3月21日深夜、1時間23分にわたったイチローの引退会見です。質問にすべて答えたのもすごい。日本なら間違いなく途中で打ち切りですよね。

 グラウンドでの自然発生的なセレモニーもしびれました。イチローがベンチ裏に引っ込んでから出てくるまで、お客さんもよく待ちました。あのとき無理は承知で思ったのは、これが東京ドームではなく、神戸だったらな、です。神戸とシアトルは、イチローにとっても特別な場所だと思うので。

 でも、さすがイチローです。警備員もいないのに、カメラマンだけ引き連れて球場を1周でしょう。1974年、巨人長嶋茂雄さんの引退試合と同じです。僕も中日の現役選手として出ていたダブルヘッダーですが(しかも四番!)、2試合目の前に、ミスターが周囲の制止を振り切ってグラウンドに飛び出し、球場を1周した。これはもう感性の問題です。いま自分が何をしたらいいのか、何をしたらファンの人たちが喜んでくれるのか、分かっているからできるのでしょう。イチローも、ミスターの領域に入っているんだな、とあらためて思いました。

 発表のタイミングは別とし、引退自体は予想していました。前年の5月時点で選手登録がなくなり、それでもチームに帯同というなら、日本での開幕戦2試合のためしかありません。実際、そういう契約だと本人にも伝えていたようですが・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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