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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「DHを導入しただけでセが強くなるわけじゃない?」

 

日本シリーズ第1戦の千賀[ソフトバンク]のピッチングは、まさに「豪快かつ、ち密」だった


DH導入に賛成? 反対?


 2019年もあと1カ月を切り、いよいよ2020年がやってきます。

 3年前、2016年10月、僕がステージ4の大腸ガンを宣告され、手術を受ける数日前のことでした。テレビで2020年の東京オリンピックを取り上げた番組があり、僕とナオミさん(愛しの妻です)が見ていたとき、ふいに、

「ねえ、2020年のオリンピックはあなたと一緒に見るんだからね! 絶対、絶対、一緒に見るんだからね」

 とナオミさんが涙ながらに言ってきたことがあります。

 そのとき僕は、こう言いました。

「よし! 見てやろうじゃないか! 2020年の東京オリンピックを!」

 当時を思うと感慨深いものがありますね。いろいろな方のお力もあって、すべてがうまく回り、今は「お前は本当に病気なのか」と言われるほど、元気いっぱいです。

 振り返れば、今年は、うれしいことも、悲しいことも、いろいろなことがあった1年でした。僕ら家族は、大切な思い出を胸にしまい、新たなスタートを切った年なのだと受け止め、これからも顔を上げ、前を向き、歩んでいきたいと思います。

 さて、今回のテーマは「セ・リーグにDHは必要なのか」です。少し前の話になりますが、巨人原辰徳監督の「これからはセでも導入すべきじゃないか。差が開いている気がする」という発言がありました。

「日本シリーズで負けた直後にそれを言うのはどうか」という声もありましたが、僕は原監督が久びさに監督として1年を戦い、セの覇者として危機感を覚えての率直な言葉だと思いました。巨人というチームは1年勝っただけではなかなか評価されません。セ・リーグで連覇し、日本一も目指していくという使命感、覚悟の中での言葉なのでしょう。

 僕自身がDHに賛成か反対かと言われると、正直・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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