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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「思い出す、夜行列車で一人旅立った18歳の春」

 

入団2年目のキャンプ。右から4人目が僕です。なんか、まだ遠慮がちに見えますね


セレクションには裏が!?


 今週号はドラフトの特集だということですので、僕の新人時代の思い出などをお話ししたいと思います。

 僕の場合は、プロはまったく考えていなかったので、ドラフトは頭になかったですね。スカウトの方が来ていたということも後から聞いたので、本人はそんなことになっているとは夢にも思いませんでした。

 僕は、高校を出るときは、「大学に行けたら」とは思っていたんですが、父は年金生活に入っているし、兄も大学に行っていましたし、姉もいずれ結婚するだろうし、経済的に迷惑はかけられないな、と思っていました。愛知学院大学のセレクションの話はあったので、それは受けてみようということで行きました。

 そのときに、どうも中日のスカウトが来ていたようなんですよ。それでドラフトにかけようということになった、というのを、後から聞きました。僕は、中央球界ではまったく無名ですから、そこで一度見てみて、どれぐらいの選手かの確認を取ったんじゃないですかね。僕は2年半しか野球をやってないわけですから、そこは獲るほうにしたら不安はありますよね。何か、中日と大学で、裏で話ができていたんじゃないかと思いますよ(笑)。

 ドラフトで指名されたのを聞いたのは授業中だったか、授業が終わってからか……。とにかく、まったく考えたこともなかったから、ポカーンとして、何の感情もわかなかったですね。まさに、ガンの告知をされたときと同じ感じでした。ショックもないし、喜びもない。「あ、そうなの?」って。うれしいとか、「ヤッター!」とか、何もなかったですよ。

 さて、そこで進路をどうするか。大学のセレクションは、絶対受かっている自信がありましたが・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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