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打撃不振でも盗塁数はトップ! 阪神・近本光司の盗塁の秘密

 


 2年目のジンクスにはまっているのか、8月3日現在、打率は246と低迷している阪神・近本光司。それでありながら盗塁は「12」でリーグトップ。やはり足では球界トップクラスのスピードスターだ。

 近本の盗塁の特長は、リードのときに右足を一、二塁線上からややライト側へ引いた、オープン気味でスタンスを取るところだ。近本の体自体、両足のつま先が、右側に向いているため、その体形では走る際にこのオープンスタンスのリードが一番力を発揮しやすいという。しかし、このスタイルだとけん制のときに帰塁しにくくなる。これを避けるためにやや狭いリードを取っているのだ

 昨年までとの違いは、スライディングの速さが格段に上がったことだ。「手前のベースを意識せず、その先に2つほどベースがあることを想定し、そこへ目がけて滑っていく感覚」がスライディングをより加速させ、スピードを殺すことなく到塁できるようになった。昨シーズン中から練習の中で繰り返し行ったことで、自然に身に付いた技なのだ。

 歩数に関しては今季も塁間12歩だ。阪神は陸上男子200メートル障害の元アジア最高記録保持者・秋本真吾氏の指導を受けている。近本も秋本氏を師事し、走塁改革を行った。そこで提案されたのが従来の12歩から14歩へのピッチ走法。それを何度も試しながら、今季は従来の12歩に戻している。「(元阪神の)赤星(憲広)さんも歩数を変えるのに3年くらい掛かったとおっしゃっていて、僕は(14歩を)2カ月取り組んだだけ」と今季は12歩で挑むが、今後練習の中で14歩に挑戦し続け、さらなる向上を目指している。

 その中でもリーグトップの12を記録。昨季以上に投手のスキをついて走る力と相手投手との駆け引きでは成長を見せている。ここに打撃が本調子になれば……2年連続の「盗塁王」は間違いないはずだ。

写真=BBM

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