巨人・長嶋茂雄が象徴的だが、かつて「三塁手」は守備の花形であり、打線においてもチームの看板を背負うことが多かった。その後、小粒になったとも言われた時代を経て、今、若き強打の男たちがその座に就き、新たなる伝説を築こうとしている。 ※記録は8月6日現在 守備力アップも誓う
昨季開幕から「四番・三塁」として105試合連続でスタメン起用されたが、不振で106試合目に六番に降格。与えられた四番を全うできなかった。人気球団の四番としての屈辱と重圧を感じた1年間だった。
屈辱を晴らすべく挑んだ今季の開幕は、ベンチスタート。マルテに「四番・三塁」をの座を渡した。だが、7月4日の
広島戦(マツダ広島)、マルテが試合中に離脱し途中から四番に入ると、9回にはライトへソロ本塁打。そこから「四番・三塁」に定着すると、ひと味違う打撃を見せ始める。昨季までは器用さもあって、追い込まれると右打ちに活路を見いだしていたが、今季は常にフルスイング。追い込まれても三振を怖がらない。打撃フォームも微調整し、昨年よりもヒザを曲げない、目線のブレないスタンスにした。
「いいスイングができている中で、狙い球を絞って思い切ってスイングをすることができました」と語ったのは7月24日の
中日戦(ナゴヤドーム)での一発後。7月は月間8本塁打。矢野耀大監督も「甘い球をしっかり仕留められる。本当にレベルが高い。見ていて風格もある」と今後も四番で起用し続ける方針だ。
三塁としても球際に強いところを見せているが、まだ焦っての悪送球もあって3失策。試合に出ながら守備力もさらにアップさせていくつもりだ。
写真=BBM