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攻守から伝わる広島・堂林翔太の“ゲームに出る”喜び/サード新伝説

 

巨人長嶋茂雄が象徴的だが、かつて「三塁手」は守備の花形であり、打線においてもチームの看板を背負うことが多かった。その後、小粒になったとも言われた時代を経て、今、若き強打の男たちがその座に就き、新たなる伝説を築こうとしている。
※記録は8月5日現在

右に左に積極的に飛びつく



 毎日ゲームに出られる。その喜びが全身からあふれているようだ。

 セ・リーグの打率トップを走る。はつらつとした動きは打席の中だけではない。塁上でもバッテリーにスキありと見れば積極的に走ってチームトップの5盗塁。そして守備でも、7月8日のDeNA戦(マツダ広島)から務めるサードで、右に左にと積極的に打球に飛びついていく姿が目を引く。

「試合に出られれば(ポジションは)どこでもいい」と言うが、サードは、かつて一度手に入れながらスローイングの不安から外された場所であり、昨年オフに「このポジションで勝負」と直訴して、はじき返された場所でもある。今季はファーストで開幕を迎えたが、好調な打撃をバックボーンに、松山竜平の一軍合流後はレフト、さらにピレラとの守備バランスを考慮されてこのポジションに落ち着いた。

 三遊間のボールに飛びついた後などは、やや送球が弱くなる面はあるものの、捕球の際のフットワークやハンドリングでは、やはりピレラやメヒアをしのぐ安定感。ピッチャーへの声掛けの面でも、日本人選手がホットコーナーにいることは意味がある。

 ここまで打率.348、8本塁打、23打点。上体が突っ込みやすかったところを直し、右方向へ快打を連発、11年目の覚醒を見せていた打撃は、一時期の勢いはなくなってきた感はあるが、形が大きく崩れているわけではなく、辛抱してまた再浮上と行きたいところ。毎日ゲーム出られる幸せを簡単に手放すわけにはいかない。

写真=BBM

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