週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

言動も変わった! 首位を走る巨人で光る四番・岡本和真の存在感

 


 51試合を終えた時点で2位・DeNAに4.5ゲーム差の首位。巨人の序盤戦の戦いを振り返る上で、岡本和真の存在を無視することはできない。8月に入り率を落としてはいるものの、開幕から四番を張り続け、8月21日終了時点で打率.275、18本塁打、45打点。本塁打と打点はリーグトップだ。昨季までは「たまたまです」と素っ気なく、謙遜するコメントが多かったが、今季は「強く意識して向かいました」と話す内容にも変化が見える。自覚、自信。どちらかではなく、どちらもから来ているのだろう。

 打線の核がどっしりと構えていることで、打順も組みやすい。原辰徳監督も「安定して、いいところで打ってくれています」と若武者への信頼は厚い。指揮官は卓越した眼力を使い、頻繁に打線を組み合えるが、それも軸である四番が常に定まっているからこそなせる業。昨年はシーズン10度の決勝打も、今季は7月中に6度を数えるなど段違いの勝負強さを示している。

 とはいえ、打線全体は決して安泰ではなかった。何といっても開幕直前の坂本勇人の離脱は、不安材料だったと言える。6月2日のPCR検査で微量ながらも新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、大城卓三とともに東京都内の医療施設に入院した。退院は開幕から1週間前の6月12日。「1日でも早く試合に戻ることだけを考えています。ファンの皆さんにいいプレーをお見せできるよう全力で頑張る」と決意を示した主将だったが、10日間の入院で実戦感覚を養えなかった難しさが開幕直後から続く打撃不振に表れる。ここまで打率.223と本来の状態にはほど遠いままだ。

 坂本とともに移籍2年目の丸の不振も誤算となっていた。開幕から6試合を経過した時点で、打率.087。試行錯誤を重ねるが、状態はなかなか上向かず、7月15日の広島戦(マツダ広島)では今季初の先発落ちも経験した。昨年のチームを支え、優勝の原動力となった「サカマル」の不振はチームに危機感を募らせるが、ここまでは岡本がその穴を埋めている。

 2018年に高橋由伸前監督が1年間起用して才能を開花させ、昨年は原監督の下でさらなる成長を遂げた。今季ここまでも含め、3年連続全試合出場中と体の強さもあるのも心強いところだ。

写真=BBM

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング