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柳田悠岐の強打を引き出すバッティンググラブの秘密とは?

 

映えるMyカラーでパワーを引き出す“素手感覚”



 リーグ2位の打率.354、18本塁打をはじめ8月27日現在、打撃主要部門でトップ争いを演じている柳田悠岐。球界を代表するスラッガーにバッテリーの警戒は当然強くなるが、それをものともしない。体勢を崩されながらも片手1本で打球をPayPayドームのホームランテラスに放り込んだかと思えば、執ように外角を攻められてからの内角球にもしっかりと反応。スタンド中段へのホームランにしてみせた。

 今季の柳田悠岐は、これまで以上に見る者を圧倒する。驚愕の一打にも本人は「たまたま」といつもと変わらない様子で答えるが、打席での集中力を高めてボールを芯でとらえられているからこそ、打球をしっかりと飛ばすことができる。まさに『一撃必殺』の鋭い仕事ぶり。それに一役買っているのが、今季から使用しているバッティンググラブだ。

 使い心地を「めちゃくちゃいい」と柳田らしいシンプルな言葉で評価する。最大の特徴は『フィット感』で、「手の甲のところが柔らかくて、伸びるので、今まで以上にフィットする」。着用時の感覚をとことん追求し、従来のものよりも手の甲側に使用するストレッチ素材の面積を拡大。これにより、これまで以上に手の動きに合わせて伸縮するので、バットを握る際の違和感が軽減した。

 バッティング時の「手の甲の動きを妨げるものを排除したい」という要望は柳田だけでなく多くの選手が求めていたところで、アンダーアーマーとしても力を入れて改善に努めた。「素手に近い感覚でバットが握れる」(柳田)からこそ、ストレスを感じることなくスイングでき、バッティングそのものに集中できる。また、手の構造に沿ったカッティングを施したことも、優れたフィット感を生み出している。

柳田が使用しているバッティンググラブ


 白に映えるゴールドのカラーリングも印象的だ。「知る人ぞ知るところではありますが、アンダーアーマーの中で『ゴールド』と言えば『ギータ(柳田悠岐の愛称)』、『ギータ』と言えば『ゴールド』なんです」と、同社マーケティング部の喜田剛氏は語る。以前からカラーブランディングに着目していた喜田氏が、2018年シーズンからソフトバンクの契約選手である柳田、松田宣浩今宮健太にそれぞれのカラーを提案。柳田はゴールド&ホワイト、松田宣は蛍光イエロー、今宮はレッド&ブラックで使用する道具に統一感をもたせ、イメージづくりを行っている。柳田本人も「かっけーやん!」とご満悦のゴールドのカラーリングは、確かに球界で光り輝く活躍を見せる背番号9にピッタリとマッチしている。

 ゴールドは頂点を示す色でもある。3年ぶりのリーグvへ、“素手感覚”でパワーアップした主砲のバッティングがチームを引っ張っていく。

取材・文=菅原梨恵 写真=BBM

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