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デーブ大久保 さあ、話しましょう!

選手たちは新型コロナに負けない気概をファンの皆さんからもらっているはずです/デーブ大久保コラム

 

甲子園のアルプスにも多くのお客さんが入るようになりました。ファンが来てくれることに感謝して選手たちにはプレーしてほしいです/写真=毛受亮介


 9月の4連休中に、散歩を兼ねて銀座を通って、新橋の居酒屋に行きました。そこで感じたのは人の多さでした。戻ってきたな、という雰囲気とともに皆さんマスクをしっかりしていて「絶対に新型コロナウイルスにはならないぞ」という思いを感じました。にぎやかなというよりも、みんな気を付けながら、という雰囲気でしたね。

 それくらい皆さん、新型コロナウイルスには気を付けているのだと思います。「家族のためにも絶対にならないぞ」という意識で出勤しているサラリーマンの方も多いと思います。その気概で新型コロナを蹴散らしたいですね。この先、どう考えてもこのウイルスとわれわれは共存していかないといけないのですから。

 私の居酒屋の周囲でも閉店するところがあります。いくら補助金が出るといっても、これだけ経済が停滞してしまうと、補助金だけではどうにもなりません。新型コロナにかかり苦しむのか、店が経営不振になり苦しむのか……というところまで来ていて、早く経済が回復してほしいという思いもあります。

 この前の4連休の最初の19日から球場の入場制限も緩和されました。開幕当初の無観客からすれば、感慨に値します。ここまでお客を入れられることができた。つまり、入場制限の5000人のときにどの球場からも新型コロナの患者を出さなかった。これはスゴイことですし、各球場、球団の皆さんの努力には頭が下がります。先週阪神の選手から感染者が出てしまいましたが……。

 やはりお客さんがたくさん入ると華やかになります。私には来場するファンにも「新型コロナに負けない」という気迫を感じています。そういうファンを前にして、選手たちも気合がさらに入ったと思いますよ。19日、DeNA巨人は7対1で点差は開きましたが、それ以外の5試合は3点差以内の接戦でした。アドレナリンが出ていたはずです。

 そして何より、ファンやお客さんあってのプロ野球です。観戦に来たファンには、チームが勝って喜んでもらえることが一番です。西武の若手時代に、こうちゃん(秋山幸二)と真冬に草野球をしたことがあります。自分の好きなように野球ができるので「楽しかった」という思い出があります。でも、ただ楽しいだけなんですよね。自己満足というか……。

 プロ野球はいいプレーをしてチームが勝つと、球場に見に来ているファンからすごい数の声援と拍手などをもらえます。それを体験すると「ファンのために」とすごく思えるんです。だからこそ厳しい練習にも耐えられるのです。

 今回、さらに入場者数が増えました。新型コロナがあったことで人数制限があり、そのためにファンのありがたみを選手たちは再確認したと思います。残り試合で選手たちはより一層、いいプレーを見せてくれるはずです。

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

デーブ大久保チャンネル
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デーブ大久保ツイッター
https://twitter.com/daveohkubo

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