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ドラフト回顧

【ドラフト回顧・2015年】高山俊に2球団競合、ヤクルト・真中監督が“勘違いガッツポーズ”

 

今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。

「ガッツポーズを返してください」


高々と両手を挙げた真中監督だったが……


 2015年のドラフトで語り草になっているのは、ヤクルト真中満監督の“勘違いガッツポーズ”だ。ヤクルトと阪神は、ともに1位で明大・高山俊を指名。クジには真中監督と阪神・金本知憲監督が自ら参加。そしてクジを開いた瞬間、真中監督が大きくガッツポーズ。金本監督はそれを見て肩を落とし、クジの中を確認することなく席へ戻った。

 しかし、その後、「交渉権獲得」の文字が入ったクジを引き当てたのは、金本監督だったことが判明。クジの中に薄く刻印されたドラフト会議のロゴマークを、真中監督が交渉権を獲得の印と勘違いしたことで起きた事故だった。

 金本監督は「ビデオ判定でホームランに覆った心境」を笑顔。真中監督は「ガッツポーズを返してください」とコメントしている。

 最多は県岐阜商高の右腕・高橋純平の3球団入札。中日ソフトバンク日本ハムが指名したが、ソフトバンクが交渉権を獲得した。第2回入札では甲子園優勝投手の東海大相模高・小笠原慎之介を中日と日本ハムが指名。中日が当たりを引き当てた。

 4年前のドラフトとあり、現在チームの主力を張る選手も多い。特に“一本釣り”の1位に顕著で、西武多和田真三郎(富士大)は18年に10年ぶりの優勝に大きく貢献。DeNA今永昇太(DeNA)はエースとして2ケタ勝利を2度マーク。オリックス吉田正尚(青学大)も、昨季キャリアハイの29本塁打。今季は首位打者へ邁進している。

【2015年ドラフト12球団1位】
楽天 オコエ瑠偉(関東一高/外野手)
DeNA 今永昇太(駒大/投手)
オリックス 吉田正尚(青学大/外野手)
中日 小笠原慎之介(東海大相模高/投手)
西武 多和田真三郎(富士大/投手)
広島 岡田明丈(大商大/投手)
ロッテ 平沢大河(仙台育英高/内野手)
阪神 高山俊(明大/外野手)
日本ハム 上原健太(明大/投手)
巨人 桜井俊貴(立命大/投手)
ソフトバンク 高橋純平(県岐阜商高/投手)
ヤクルト 原樹理(東洋大/投手)

 下位でも、中日5位・阿部寿樹(Honda)が目立っている。阪神5位の青柳晃洋(帝京大)は先発ローテに定着。広島5位の西川龍馬(王子)や、ヤクルト5位の山崎晃大朗(日大)も存在感を増しており、この年のドラフトは「下位の当たり年」でもある。

写真=BBM

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