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2020ドラフト会議のルールと見どころ

 

史上初のオンライン開催となる2020ドラフト会議


 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策はドラフトにも及んだ。「2020年プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」は例年の運用とは様変わりし、1965年から56回目にして初めて「オンライン」にて開催される。報道陣は東京都内で行われる会場に入ることができず、主催のNPB公式サイトから取材することになる。なお、09年からはドラフト会場にファン1000人を招待してきたが、今回は「無観客」。

 新たな取り組みとして「リポビタンD SPECIAL ONLINE SEAT」を実施し、抽選により1000人がオンライン中継に招待される。形こそ違うものの、生の臨場感を味わえる環境が用意されたのである。ドラフト会場の光景は大きく変わる。従来のようにホテルの大宴会場で一堂に会するのではなく、12球団の関係者が個室に分れて指名。12球団同時入札である1巡目(1位)入札が重複した際は、当該球団の代表者が抽選会場の部屋に集まり、クジを引いていく。

 2巡目以降のウエーバー順(球団順位の逆順)のリーグ優先権は、19年からセ・リーグとパ・リーグが1年おきに交互に変更されることになったため、20年はパ・リーグがウエーバー優先権。なお、ウエーバー指名順は10月25日時点の公式戦順位が反映される。なお、24日時点で順位は確定しており、パ6位のオリックス、セ6位のヤクルト、パ5位の日本ハム、セ5位の広島、パ4位の楽天、セ4位のDeNA、パ3位の西武、セ3位の阪神、パ2位のロッテ、セ2位の中日、パ1位のソフトバンク、セ1位の巨人という順になる。2巡目の指名はウエーバー順で行い、3巡目の指名はその逆順、以後、交互に折り返す。

 さて、第1回1巡目入札での競合が予想されるのは3選手だ。早大の155キロ左腕・早川隆久には、ロッテが10月15日に1位を公表。DeNA、広島、ヤクルト、楽天も最有力候補としている。近大のスラッガー・佐藤輝明にも、オリックスは10月13日に1位を公表。関西学生リーグ記録を更新する14本塁打を放った大砲に興味を示すチームは多く、巨人、阪神、ソフトバンク、西武が参戦してくることが予想される。さらには、中京大中京高の154キロ右腕・高橋宏斗が重複するかもしれない。大学進学希望から一転して、プロ志望を表明。超高校級の将来性に注目が集まっている。

 今ドラフトにおいて、34歳の「上位候補」がいる。13年にレッドソックスでワールドチャンピオンを経験した田澤純一(BCL/埼玉武蔵)だ。新日本石油ENEOSのエースだった08年に都市対抗優勝を経験。同年のドラフト1位候補も、NPBドラフトを拒否しMLB挑戦を表明した。有力選手の海外流出を危惧したNPBは実行委員会での「申し合わせ事項」として、海外球団退団後はNPB球団と契約できない復帰制限(高卒は3年、大卒は2年)を承認。いわゆる「田澤ルール」を定めた。今年7月、田澤が独立リーグで12年ぶりの日本球界復帰を受け、今年9月に同ルールが撤廃され、田澤は「ドラフト対象」となった。NPBスカウトはシーズン中に熱視線を送っており、その評価が気になる。

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