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立浪和義コラム

パ・リーグのシーズンの見どころは。密かに期待しているオリックスが台風の目になる可能性?【立浪和義の超野球論】

 

山本らオリックスの個々の選手はトップクラスなのだが


ホークスの選手層


 オープン戦の全日程が終わり、あとは開幕を待つばかりとなりました。前回はセ・リーグについて2021年シーズンの見どころを挙げてみましたが、今回はパ・リーグについて書いてみます。

 まず優勝候補ですが、やはり昨年の王者でもあるソフトバンクでしょうね。昨年の優勝の立役者でもある千賀滉大選手、東浜巨選手、モイネロ選手がまだ試合で投げておらず、柳田悠岐選手が出遅れた中でも、オープン戦は2位。打線はチーム打率.219と湿ったままですが、投手陣は盤石です。投手、野手とも誰かが休んでも、すぐ同じくらいの力を持った選手が出てくるのはすごい。あらためて層の厚さを感じました。

 対抗できるのは、田中将大選手が復帰した楽天でしょう。ほかに則本昂大選手、涌井秀章選手、岸孝之選手と実績ある先発がそろっています。田中選手は、まだ絶好調というほどではありませんが、低めへのスプリット、スライダーの制球力、キレはさすがです。普通にいけば、2ケタ勝利には簡単に届くのではないでしょうか。ただし、ピッチャーの変化球を生かすのは真っすぐです。それ以上の勝ち星の上積みをしていくには、もう少し真っすぐの球速が上がってほしいなと思います。

佐々木朗への期待


 ほかには18、19年の王者西武は相変わらず打線がよく、今年は昨年苦しんだ山川穂高選手、森友哉選手も元気です。投手陣次第でソフトバンク、楽天を抜き去る可能性もあります。

 ロッテも打線の課題はありますが、昨年2位となった自信もあるでしょう。上位に食い込む力は十分にあると思います。特に私が注目しているのは藤原恭大選手、安田尚憲選手という2人の若い左バッターです。オープン戦では苦しんでいましたが、彼らがどこまで成長するかで順位も変わってくると思います。

 ロッテで言えば、昨年は1年間、じっくりと育成期間にあてた佐々木朗希選手がオープン戦でも登板しました。非常に柔らかいフォームから素晴らしい球を投げており、高いポテンシャルは感じましたが、まだ先発ローテでどんどん投げるような状態にはなっていないと思います。

 夏場になり、チームの先発が足りなくなるときは必ず来ますので、まずは二軍でしっかり経験を積んだほうがいいのではないでしょうか。おそらく井口資仁監督もその方針だと思います。夏場になればバッターも疲れてきますし、そのときに、あの球速があり、1試合投げ切れる体力がついていれば、チームの救世主のような存在になる可能性もあります。

 実は、密かに注目しているのがオリックスです。近年はずっと下位に低迷していますが、このチームは個々の力がありながら、もったいないミスで試合を落とすことが多かった印象があります。

 今年は、投手であれば山本由伸選手、山岡泰輔選手、田嶋大樹選手とそろって調子もいいようですし、野手では吉田正尚選手が順調です。若い選手も多いので、何かきっかけをつかめば、台風の目のようになっていくのではと期待しています。

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