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ミレニアム世代 2000

勝負の3年目ミレニアム世代 飛躍の鼓動

 

チームの未来を担うミレニアム世代は多士済々だ。ロッテ山口航輝に続き、7選手をピックアップ。中心打者に育ちつつある野手がブレークの兆しを見せている。

日本ハム・野村佑希 中軸担い一気の主力へ


野村佑希/日本ハム3年目/21歳/内野手


 同世代の中でも一際輝きを放った。オープン戦全13試合に出場し、38打数13安打3本塁打、打率.342。実績ある好打者が並ぶ日本ハム打線の三番を5試合務めた。長打力不足と若手の底上げ。ここ数年のチームの課題を一気にクリアする待望の若き大砲への期待の表れだ。

 三番に入った試合では2本塁打、打点もコンスタントにマークし、中軸としての適性も発揮した。勝負強く結果を出すためのポイントに、野村自身が挙げたのは「甘い球をしっかり1球でとらえ、さらに自分でカウントを作っていくこと」。相手投手の術中にハマり淡泊な打席になることもあるが、自らの課題を冷静に見極める視点も持っている。

 高卒から主力へと成長し円熟期を迎えた現レギュラーが危機感を持つような次世代選手を育てることが使命と栗山英樹監督は語る。野村は、指揮官が育成を目指す「30本塁打を打てる選手」に最も近いスラッガーでもある。将来的な主軸はもちろん、それほど遠くない未来にチームを支える打者になる予感さえ漂う3年目の飛躍。是が非でもBクラスからの巻き返しを図りたい今季、21歳の若武者の躍動は希望の光だ。

ヤクルト・濱田太貴 主砲の背を追う右の強打者


濱田太貴/ヤクルト3年目/21歳/外野手


 四番・村上宗隆に並ぶオープン戦4本塁打が、若き強打者の潜在能力を証明している。昨季は33試合で3本塁打だったが、今季のオープン戦では9試合でこの数字。14日の中日戦(神宮)の2回には、体勢を崩されバットの先でとらえた緩やかな外角のカーブも、ライトの頭上を越える適時二塁打にした。外野の定位置争いに食い込む活躍を見せたが、上半身のコンディション不良で、開幕一軍入りは絶望的に。オープン戦では六番を打つことが多かったが、目指すのは1学年上の村上とクリーンアップを形成すること。昨シーズン後半、「いつかムネさんの前か後ろを打ちたい」と笑顔を見せていた。若き“左右の大砲”を打線の中心に固定できれば、チームの未来も明るいだけに、早期復帰が待たれる。

オリックス・太田椋 大型二塁手誕生で打線に厚み


太田椋/オリックス3年目/20歳/内野手


 近年は助っ人頼みだった右の強打者だが、今季は若武者がその役目を担う。キャンプから長打力を見せ、2月の練習試合では逆方向の右翼席へ一発もマーク。スタンドインさせるほどのパワーだけでなく、変化球も巧みに右前に運ぶなど柔らかさも併せ持ち、オープン戦では一、二、三番ほかあらゆる打順に座った。柔軟な打撃を見せるだけに複数打順でも対応できるのは強み。時にチャンスメーク、時にポイントゲッターと、寄せられる期待は膨らむばかりだ。本職は遊撃ながら二塁に就くのは、その打力を買われているかにほかならない。大型二塁手の誕生で、スケールアップを果たしつつある“新打線”。得点力不足に泣いたのは過去のこと。背番号31がオリックス打線の印象を覆す。

中日・根尾昂 左翼のレギュラーを狙う


根尾昂/中日3年目/21歳/内野手


 熱望していた遊撃は一旦封印。空いている左翼のポジション獲りで一軍定着を目指している。春季キャンプから一軍で存在感を見せつけたが、オープン戦に入ってバットが湿った。だが、17日の巨人戦(バンテリン)では3安打。「1打席も無駄にできない」と結果を出した。開幕一軍は当確。打ち続けてスタメンを勝ち取りたい。

西武・上間永遠 先発六番手をつかんだ強心臓右腕


上間永遠/西武2年目/20歳/投手


 先発六番手の座をつかんだ。今季A班キャンプに抜てきされ、オープン戦では2試合に登板し、計8回を2失点で防御率2.25。力強い直球が武器で制球力も抜群だ。カット、スライダー、カーブ、シンカーと球種も豊富。辻発彦監督も「動じないで投げる」と評価する強心臓も武器だ。頼もしい20歳の右腕がチームを勢いづける。

広島・羽月隆太郎 いつも泥まみれの元気印


羽月隆太郎/広島3年目/21歳/内野手


 身長167センチと小柄だが、グラウンドではどこにいるかがすぐ分かる。いつも泥まみれで大きな声を出している、カープの元気印だ。キャンプでも早出の声出しの一発芸から特守とチームの盛り上げ役となり、野手のキャンプMVPを獲得。初の開幕一軍こそ逃したが、一軍への距離があとわずかであることも確かだ。

ロッテ・藤原恭大 俊足強打でチャンスメーク


藤原恭大/ロッテ3年目/21歳/外野手


 ポテンシャルの高さは昨季2本の先頭打者弾で証明済み。積極果敢な打撃と俊足を武器に今季は本格ブレークへ。オフのトレーニングで下半身も大きくなり、井口資仁監督も「やってくれる期待感がある」と、オープン戦は打率1割台ながら二番・中堅での開幕スタメンは当確だろう。令和の“マリンガン打線”形成は、この男の飛躍次第だ。

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