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「横浜一心」10年目の横浜DeNAベイスターズ

ハマに吹き始めた追い風 2021年ベイスターズ浮上の可能性

 

開幕6連敗から、さらに8連敗といきなり苦境に立たされている三浦DeNA。それでも外国人選手の合流もあり、徐々に戦力は整いつつある。それら手駒をどう生かすか。あとは、少しの運が味方すれば歯車はかみ合ってくるはずだ。
文=浜浦日向(サンケイスポーツ) 写真=大賀章好

連敗が続く中、4月18日の巨人三浦大輔新監督の船出は、歴史に残る険しいものになった。DeNAは2分けを挟み、球団ワーストタイの開幕6連敗スタート。新人監督の開幕6連敗は、2002年のオリックス石毛宏典監督以来2人目の球界ワースト記録だった。

 とにかく歯車がかみ合わなかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ネフタリ・ソトオースティンら外国人全10選手の来日が開幕に間に合わず。オープン戦は12球団中11位のチーム打率.210、4本塁打。25得点、2盗塁は最少で3勝7敗の11位に終わった。しかし、いざ蓋(ふた)を開けてみると“純国産打線”は、開幕から4月上旬までチーム打率12球団トップをマークし続けるなど好調。すると反対に、2月の練習試合から開幕まで対外試合15回連続無失点を誇った京山将弥が、まさかの2戦連続大量失点のKOで二軍落ちするなど、チーム防御率は12球団ワーストまで沈んだ。

 苦戦を強いられたが、明るい兆しもあった。最大の好材料はドラフト2位・牧秀悟の存在だ。開幕から三番で起用され、13試合連続出塁をマーク。4月頭には打率、打点でリーグトップに立つなど新人離れした活躍に、三浦監督も「ほぼ初対戦の中で、1打席目に見たものをインプットして2打席目には対応できている。その対応力も、オープン戦から公式戦にかけてさらに向上している」と目を細めた。

 オフに梶谷隆幸井納翔一が巨人にFA移籍。外国人も不在で手薄となった戦力の中で、旧体制では年々出番の減っていた桑原将志関根大気の外野手2人が開幕スタメンをつかみ、2人とレギュラーの座を争う神里和毅も、4月4日の広島戦(横浜)の初スタメンで1号&超美技で、三浦監督の初勝利をアシスト。同戦では若きホープ、阪口皓亮が5回無失点と好投し、4年目でプロ初勝利を挙げた。昨季自己最悪の防御率5.68と大不振に陥った山崎康晃も、初の二軍キャンプスタートとなる中で、浅く握る新ツーシームを習得しセットアッパーに定着するなど、新指揮官の下でチームは確実に変化している。

 4月13日には、ついにソト&オースティンが一軍登録。NPB通算224試合登板のエスコバーや新外国人のロメロシャッケルフォードの2投手も二軍での実戦を経て順次一軍合流が見込まれており、手術からの復帰を目指す今永昇太東克樹という左腕2人の存在もある。19年もシーズン序盤は最大借金11の最下位に沈みながら、日本一に輝いた1998年以降では最高の2位となったように、勢いに乗れば猛チャージを見せる可能性も秘めている。

「開幕から若い選手で結果を出した選手もいたので、外国人が加わることでまた新しい戦い方ができる。打線として形はつくれつつある」と三浦監督。思えば、前身の大洋が初優勝を飾った60年も開幕6連敗だった。まだシーズンは始まったばかり。スローガンのごとく“一心”となって逆襲を図る。

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