投手王国と言ってもいい状況になってきた。今季も現在防御率はリーグトップ。外国人も、一軍の選手と引けを取らない助っ人が二軍でその時を待っている。一軍投手陣に不測の事態や、故障者が出たとしても同じくらいの実力を持つ先発&中継ぎ投手たちがいるのは心強い。 ※成績は4月25日現在 先発候補
チェン・ウェイン ベテランの味でいつでもOK チェン・ウェイン
思いどおりの投球が少しずつだができるようになってきた。4月21日のウエスタン、
ソフトバンク戦(鳴尾浜)では6回1失点。8安打を許しながらも要所を締めたのはベテランならでは。開幕当初は調整不足が否めなかったが、二軍で先発ローテに入ることで、しっかりと形を作ってきた。4試合で防御率1.80は悪くない数字。
藤浪晋太郎の二軍調整によって一軍登板の可能性大に。一軍で勝つ用意は整っている。
(※4月29日に今季初一軍登板。10年ぶりのNPB勝利を挙げた)
アルカンタラ 多彩な変化球を操る最多勝助っ人 ラウル・アルカンタラ
決め球が何種類もある昨季韓国リーグ最多勝20勝2敗の右腕。4月4日にようやく来日し隔離生活を経て20日に二軍に合流した。21日には早速ブルペンに入り41球を投げた。100%で投げていない状況で真っすぐ、変化球のコントロールもしっかりしているという評価だ。フォークも決め球として使う。24日の社会人との練習試合で1回を投げ5安打3失点。まずは調整登板が続くが、その後は一軍のマウンドに立てそうだ。
西純矢 後半の先発の谷間にチャンス 西純矢
順調に二軍の先発ローテとしてマウンドに上がっている高卒2年目の右腕。春季キャンプでは一軍に帯同し、オープン戦ではチャンスももらったが開幕一軍入りならず。ただ二軍では徐々に結果を出し始め防御率は3.68。時にビッグイニングを作ってしまうこともあるのが難点。そこを調整できる投球ができるようだと後半戦の谷間で一軍先発の可能性もある。そこまで投球術を向上させていきたい。
※先発ローテの一角でキャンプ中に故障離脱した
高橋遥人は、キャッチボールは再開したがブルペン入りが未定。今季中の復帰を目指していくことになりそうだ。
中継ぎ候補
守屋功輝 2019年の躍進をもう一度 守屋功輝
2019年の後半、先発が崩れたときは早いイニングから守屋が登板し、試合を立て直した。57試合に登板し一気に中継ぎの中心へと飛躍するかと思われたが、20年に右肩を痛めて苦しいシーズンに。リハビリを乗り越え、春季キャンプは二軍ながら充実の日々を過ごした。開幕一軍には呼ばれなかったが、ウエスタンで6試合の中継ぎで無失点。6イニングを投げ4奪三振と好調。24日に藤浪の登録抹消により一軍に昇格した。
村上頌樹 安定感抜群の実戦派右腕 村上頌樹
智弁学園高ではセンバツ優勝投手。戦国東都では東洋大のエースとして活躍するなど大舞台には強い。大学4年のリーグ戦での登板中に右前腕肉離れとなり、リハビリに費やした。二軍キャンプ中にブルペンに入り、コントロールの良さを披露。ウエスタンで中継ぎ登板を続けながら実績を残しつつある。4月1日には1勝目を挙げると4月15日の
オリックス戦(鳴尾浜)では6回から3イニングを無失点に抑えた。相手打者の狙い球を外しながら投げることを身上にする頭脳派右腕だ。
石井将希 左打者殺しのサイドサウスポー 石井将希
阪神の投手陣にはいないサイドサウスポー。昨秋に生き残りを懸けてサイドスローに転向した。現在もまずは実戦で経験を積んでいくだけに、防御率1.42と左のリリーフとして結果を出し始めた。春季キャンプでは昨季限りで引退した
藤川球児氏が付きっ切りで指導。
巨人には
丸佳浩、
松原聖弥、助っ人の
テームズに
亀井善行という左の強打者がそろっているだけに、その成果を優勝争いの終盤の大事な場面で任せられるように二軍で結果を残していく。