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デーブ大久保コラム

チームを越えた自主トレでの交流はメリットのほうが大きいですよね【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】

 

こちらは貴重な!? 巨人時代の自主トレでの風景です。多摩川で原[原辰徳現巨人監督]さんと一緒に。西武時代はきつい自主トレをしていましたが……[写真=BBM]


 明けましておめでとうございます。2022年もよろしくお願い致します。今年は健康第一で過ごしていきます。昨年は心筋梗塞(こうそく)を患いました。まだ全快というわけではありません。日によって、体がきついことがあります。すごく調子がいいときには、自分が心筋梗塞になったことを忘れるくらいですが、翌朝などは、逆に体が重くきつかったり……。それでも体のきつい日が日に日に少なくなってきているのも事実。生かされたこの命を大事に今年1年、頑張ります。

 22年を迎えた1月は、自主トレのシーズン。選手たちはすでにトレーニングに励んでいます。西武時代の自主トレ……新人年だけ合同自主トレがありましたが、2年目からは協約により、それがなくなりました。ちょうど私の代、1985年組までが、昔の春季キャンプと何も変わらない厳しい合同自主トレを経験した世代です。

 その後の自主トレは……西武のキャンプはアップに2時間かけていましたので、そのアップに耐えられるための自主トレをやっていました(笑)。初めの全員で足をそろえて走るアップ走だけで1時間ぶっ続けでしたから。

 よく覚えている自主トレは、秋山幸二さんにくっついて、笘篠誠二さんと3人で伊東などの温泉&ゴルフ場を使用しての自主トレ。これには少し裏事情があり、西武ですから施設はプリンス系を使用するんです。それで自主トレ公開を報道向けにするときに名前を出してもらう。そうすれば系列のプリンスホテルの宣伝にもなるというわけです。

 この3人の自主トレですが、体力の半端ない2人が相手でしたから……ゴルフ場を走るときは、先にドンドン行くわけです。私が必死な思いでゴールに帰ってきたときには2人はすでにキャッチボールが終わっているという状況でした。それもあり途中から近道をしていました(笑)。夜も食事のあと素振りが待っていて「キャンプと変わんないじゃん!」と思っていました。

 現代の自主トレは、他球団の選手と一緒にやることが多くなっています。今年は巨人のエース・菅野(菅野智之)と阪神の藤浪(藤浪晋太郎)が一緒にやるとか。僕らの時代では考えられないですし、当時はあいさつもするな、とまで言われていましたから。

 でも時代なんですよ。お互いにその球団のトレーニング法や練習法を知ることができますし、いろいろな勉強になるというメリットがあります。これで藤浪が完全復活すれば、菅野の株が上がるし、阪神の投手コーチ陣もうれしい限りだと思いますよ。

 一方で、真剣勝負に情が入るのでは? というファンも多いと思います。ただそう単純なものではないですよ。彼らは試合では真剣にやりますから。それが時代に合っているのだと思いますし、交流することで日本野球がさらに向上する要因にもなります。そして個人的には、シーズンに藤浪がどうなるか、楽しみしかないです。

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