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デーブ大久保コラム

日本ハムは球団が1年間我慢しました。BIGBOSSの成果は来季。楽しみです【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】

 

個々の戦力アップは二軍で行いますが、日本ハムは今季一軍でそれを行いました。BIGBOSSも来季は成果を必ず出さないとファンは許してくれないかもしれません[写真=高原由佳]


 負ければ最下位確定となる試合に逆転勝利。しかも優勝争いをしているオリックス相手なのは価値があります(9月16日、京セラドーム)。さらに清宮幸太郎の3ランが飛び出し日本ハムは盛り上がりましたね。今季、皆さんの予想どおり? 日本ハムが最下位となっています。新庄剛志BIGBOSSが新監督に就任して「今年は優勝しません」的な会見を見て、そうなのか? と思ったファンの多いと思います。

 現場の監督を経験した者から言わせてもらうと「一軍で本当に勝とうとしていないの?」と思ったのも事実。シーズンに入りやはり負けが込みました。この状況を見てデーブ的には「球団がよくぞ我慢したな。BIGBOSSを1年間我慢強く見守ったな」という印象が強いです。

 なぜならやはり一軍は勝たないと意味はないですし、勝たないとファンが球場に足を運んでくれません。その部分を思い切って捨てて、BIGBOSSに託し続けたと思います。一方、BIGBOSSも辛抱強かったと思いますよ。これだけ負けたらやはり気持ち的、精神的につらいと思います。プロ野球選手、スポーツ選手は勝負事に勝つために練習してきましたし、そういう勝負に勝って一流になった人たちばかりですから、心のどこかに「負けたくない」という強い気持ちがあるはず。それを押し殺して1年間耐えたと思います。

 個人的には、何度か「こういうプレーもできないの?」と思ったこともあります。一軍でプレーするための当たり前のことができていない。それを承知でBIGBOSSは起用しているのですから、あとは選手たちが経験を積んで、今後に成果を出してほしいな、と思います。

 キャンプのときに外野からの返球を低く強く、ということを徹底していました。9月16日のオリックス戦で素晴らしい中継プレーがありました。内野手、外野手とも強い返球をする選手が増えました。中には「成長しているな」と感じる人もいると思います。

 しかしよく考えてください。それを一軍レベルで言ったらダメです。まず強くて低い返球ができて当たり前なのが一軍なのです。良くなった、と言っている時点で、まだまだということです。

 一軍の優勝を狙うチームの返球は、走者が滑り込んでくるサイドにワンバンドで投げる、ことが条件になってきます。投げ切れなくても全員がその部分を意識して返球をするわけです。ですから「強く低く投げるようになったね」で喜んでいてはまだまだ。ファンもその精度の高い返球が繰り返され始めたら、日本ハムに期待をしていいと思います。

 まずはその前の段階のことを今年1年間BIGBOSSがやってきました。そして球団も我慢してBIGBOSSのやり方を支持してきました。その鍛錬と耐えるシーズンが終わろうとしています。そして来季こそ真価が問われます。私も来季の日本ハムを楽しみにしています。

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