センバツ出場校のこれまでの試合を振り返る「センバツ出場校プレーバック」。第22回は特別編で21世紀枠の八戸西。 長靴で雪上キャッチボール。冬期にグラウンドが使えないのは覚悟の上だ
地理的には北東北にありながら、冬の降雪量は比較的に少ないと言われている八戸市の気候だが、それでも北国には変わりなくセンバツの吉報が届いた八戸西ナインがまず戦わなくてはならなかったのは、やはり「雪のハンディ」だっただろう。
写真は1月中旬のものだが、グラウンドが雪に覆われると、選手たちは長靴に履き替えて雪上キャッチボール。寒さに耐えながらボールと指先の感覚を養っていた。そして、練習のメーンは室内練習場でのメニューだ。2018年4月からチームを指揮する小川貴史監督が甲子園を戦う上でこだわったのは打撃力の強化。盛岡大付(岩手)の練習を参考に取り入れた“極太リグップ”の重さ1.4kgバットで、選手は月1万スイングを目標にひたすら振り込んだ。当然、室内練習場では防球ネットに向かって打つしかないが、指揮官は「このバットで本塁打を打てるようになろう」と鼓舞したという。
重さ1.4kgの極太グリップバットで打撃練習。月1万スイングを目標に振り込んだ
センバツでは長身の本格派エース・
福島蓮の出来にも注目が集まるが、雪に耐えて強化してきた打者陣のスイングも気になるところ。甲子園の広い大空へ、八戸西の夢を乗せた打球が飛んでいく――。
週刊ベースボール別冊『第93回センバツ高校野球完全ガイド』好評発売中!