今季も大谷翔平(エンゼルス)が二刀流で全米を席巻し、日本でもメジャー・リーグが注目された。日本人にとってますますアメリカ球界が身近になっているが、この一冊を読めばさらにメジャーを知ることができる! ベースボールへの造詣が深いお笑いコンビ「パックンマックン」のパックンがメジャー球界でよく聞かれる英語表現を解説する『パックンの最新野球英語講座 メジャー・リーグ中継を英語で味わってみよう!』(ベースボール・マガジン社)を10月15日に上梓する。その中から知っていると“メジャー通”になれる英語表現をピックアップして紹介する。 ホットドッグが野球観戦にもってこい
ホットドッグを食べるメジャー・リーグの観客
メジャーの球場にいく楽しみは、試合を見るだけじゃないよ。スタジアムならではの食事もそうだし、みんなで合唱するあの歌も! そんな球場での楽しみ方に関する英語を紹介するね。
『hot dog』 『Dodger Dog』 『Fenway Franks』 メジャー・リーグの球場で何を食べるかって言ったら、まずはhotdog。僕も子供の頃、初めていったシンシナティの球場で食べたなぁ。アメリカというとハンバーガーだけど、サイズが大きいから両手で食べないといけない。だから、ボールが飛んできたら危ないよね? その点、ホットドッグは片手で食べられるから、野球観戦にはもってこいだよ。もっともなかには右手にホットドッグ、左手にはビールなんてお客さんもいるから、そうなるとお手上げだけどね。
メジャーの球場で売ってるホットドッグって本当にシンプルで、普通はソーセージをパンに挟んだだけ。その代わりすぐそばにトッピングのコーナーがあって、onion(玉ねぎ)、relish(細かく刻んだピクルス)は乗せ放題、ketchup(ケチャップ)、mustard(マスタード)もかけ放題だよ。パックンは欲ばりだから“全部乗せ”にして食べてる(笑)。
ホットドッグのなかでもたぶん最も有名なのが、ドジャー・スタジアムのDodger Dog。こんがりと焼かれたソーセージの長さは、なんと25センチもあるんだよ! 西がDodger Dogなら、東はレッドソックスのフェンウェイ・パークで売ってるFenway Franksかな。長さでは負けてるかもしれないけど、こっちはゆでた後で軽く焼いてるから、とってもジューシーで美味しいよ。
7回に流れる「あの歌」
『Take Me Out to the Ball Game』 『Peanuts』 『Cracker Jack』 メジャー・リーグでは、どの球場でも7回表終了後はseventhinning stretchの時間だよ。stretchは日本語でもストレッチっていうように、体を伸ばすこと。試合も終盤に差し掛かり、スタンドのお客さんにとっては立ち上がって体をほぐす時間で、このときにみんなで合唱するのがTake Me Out to the Ball Game。この歌を元にした映画やミュージカルもあるし、アメリカでは知らない人はいないと言っていいくらい有名だよ。
この曲の歌詞に登場するのがpeanuts でありCracker Jack。どちらもスタジアムフードの定番だけど、特にピーナッツは食べるというよりも買うこと自体が楽しみなんだよね。売り子さんに向かって手を挙げて注文すると、少し離れたところからでも正確なコントロールで投げ渡してくれるから。あれはもう名人芸だよ。クラッカージャックはキャラメルでコーティングしたポップコーンにピーナッツを混ぜたスナック菓子のことで、昔は日本でも売ってたらしいね。
雨が強くなってきて一時中断(rain delay)のときにground crew(グラウンドキーパー)がフィールドにtarp(シート)をかけるのも、メジャーの球場ではおなじみの光景だね。日本と違ってフィールド全体を覆うようなドデカいシートを使うから、あれを
大勢でキレイに広げたり巻き取ったりするのは見ごたえあるよ。
PROFILE パトリック・ハーラン(Patrick Harlan)●1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハー
バード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組『ジャスト』、『英語でしゃべらナイト』(NHK)で一躍有名に。『モーニングサテライト』(テレビ東京)や『報道1930』(BS-TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などにレギュラー出演。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し『コミュニケーションと国際関係』を教えている。
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