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パックンが解説! 大谷翔平でも話題になる「スタットキャスト」に関する英語表現とは?

 

今季も大谷翔平(エンゼルス)が二刀流で全米を席巻し、日本でもメジャー・リーグが注目された。日本人にとってますますアメリカ球界が身近になっているが、この一冊を読めばさらにメジャーを知ることができる! ベースボールへの造詣が深いお笑いコンビ「パックンマックン」のパックンがメジャー球界でよく聞かれる英語表現を解説する『パックンの最新野球英語講座 メジャー・リーグ中継を英語で味わってみよう!』(ベースボール・マガジン社)を10月15日に上梓する。その中から知っていると“メジャー通”になれる英語表現をピックアップして紹介する。

メジャー全体で6位の大谷の打球速度


抜群の打球速度を誇る大谷


 メジャーではこれらを活用したデータ解析ツールのSTATCAST(スタットキャスト)が2015年から全球場に設置されて、試合中継のなかでもいろんな数値が瞬時に表示されるようになって、今までは“なんとなく”だった選手の凄さが目に見えて分かるようになったんだ。全部覚える必要はないけど、オオタニさんでもたびたび話題になる打球角度とか打球初速など、主なものは知っておいた方がいいよ。

『exit velocity』

 投手の「球速」(pitch velocity)は昔からあるけど、STATCASTが生み出したのがバッターの打球の速さを示すexit velocity。2021年のオオタニさんは最高119マイル(約192キロ)、平均93.6マイル(約151キロ)でメジャー全体でも6位!

『launch angle』

 launch angle は直訳すると「発射角」。野球では、バットから打球が打ち出された瞬間の角度のこと。この数字が低すぎるとゴロになるし、高すぎると凡フライになってしまうから、30度ぐらいが一番ホームランになりやすいと言われてるよ。

『barrels』

 exit velocityとlaunch angleの組み合わせで、最も打率や長打率が高くなるとされているのがこのbarrels。具体的には「打球速度158キロ以上、打球角度26〜30前後」を指す。ちなみにbarrelはバットの中心の太い部分のことだよ。

ダルビッシュは大谷を上回る回転数


高い回転数を示すダルビッシュ


『lead distance』

 lead distanceは投手が投球もしくは牽制の動きを見せた時点で、塁上の走者がベースからどれだけ離れていたかを表す数値。「あのランナーはリードが大きいなあ」なんて思いながら見ていたのが、今や数字で分かっちゃうわけ。

『pitch movement』

 以前なら投球を計るモノサシは上のpitch velocity ぐらいしかなかったんだけど、今は本当にいろいろな数値があるよね。このpitchmovementは、投球がホームベースに届くまでに高低左右にどれだけ動いたかという「変化量」を表すものだよ。

『spin rate』

 spin rate は1分間当たりのボールの「回転数」のこと。4seamfastballの場合はこの数値が高ければ高いほど、伸びのあるボールになると言われているよ。2021年のオオタニさんは平均2217回転だけど、ダルビッシュさんはそれを上回ってなんと2514回転だったよ!

『catch probability』

 外野に飛んだフライやライナーを捕球(catch)する可能性を数値化したのが、このcatch probability。打球の滞空時間とそれを追う野手の移動距離を測っているから、この数値が低ければ低いほど捕るのが難しい打球ということになるよね。

『catcher framing』

 日本でも最近はこのフレーミング(catcher framing)という言葉がよく聞かれるようになったよね。これはゾーンぎりぎりの投球を審判にストライクとコールさせる捕球技術のこと。STATCASTではその技術を数値化している項目が複数あるんだ。

PROFILE
パトリック・ハーラン(Patrick Harlan)●1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組『ジャスト』、『英語でしゃべらナイト』(NHK)で一躍有名に。『モーニングサテライト』(テレビ東京)や『報道1930』(BS-TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などにレギュラー出演。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し『コミュニケーションと国際関係』を教えている。

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写真=Getty Images

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