6本塁打でチームをけん引した阪神の新人・佐藤輝
阪神が1位となった今年のオープン戦だが、2位の
ソフトバンクからパが5チーム続き、パの優勢は今年も続きそうな気配だ。大きな特徴の1つは、2.09のソフトバンクを筆頭にチーム防御率2点台が7チームあることだろう。規定打席到達者が最下位の
クロン以外、すべて日本人選手となっているので分かるように、新型コロナ禍で外国人選手の来日が遅れ、どこもベストオーダーが組めなかったことも影響している。
個人成績では打率1位は
楽天の31歳、
島内宏明だが、外国人選手不在もあってチャンスをもらった若い選手たちの活躍が目立ち、ホームランでは阪神の新人・
佐藤輝明が最多6本となっている。投手部門は、規定投球回到達者はすべて3試合登板で、
広島の
大瀬良大地、
ロッテの
二木康太が0.00で終えている。
傾向の把握はできるがV度はさほど高くない!?
果たして、オープン戦の成績は、どこまで公式戦にリンクするのだろうか。2000年からの21年分のオープン戦順位と公式戦順位を下表にしてみた(以下は21年成績は含まず)。
球団名は一文字表記。現在の球団名以外では、近は近鉄、ダはダイエー、横は横浜
オープン戦1位のチームがリーグ優勝を飾ったのは、08年の
西武、13年の
巨人、14年、15年のソフトバンクの4回。条件を同一リーグの1位に広げれば、01年の
ヤクルト(オープン戦5位。以下同)、03年のダイエー(4位)、06年の
中日(2位)、11年のソフトバンク(2位)、12年の
日本ハム(2位)がある。セ、パで21年中42の1位チームがあるうちの9チームとなる。多いとは言い切れないが、まったくリンクしていないわけではない。
一方、オープン戦1位で公式戦最下位は17年のロッテのみだが、最下位からの1位は01年の近鉄、04年の西武、08、20年の巨人と意外に多い。ただし、そのまま公式戦も最下位が10回。つまりは今年のヤクルトは天国と地獄、どちらかを味わう可能性が高いということだ。
チーム別では、ソフトバンク(ダイエー)が安定している。1位は4回だが、2位が6回、6位以下のフィニッシュは5回のみとなっている。07年以降に限定すればトップ3以外は、12年の4位、18年の10位のみだ。一方、セの巨人は、1位は2回ながらそれも含めトップ3以内が4回。オープン戦成績は決していいものではない。21年の1位・阪神には、3回の1位があるが、いずれも公式戦4位と、ありがたくないデータがある。