長嶋さんのようにチームの顔と言えるサードがドンドン出てきてほしいです
息子の言葉に学ぶ
いやあ、ちかれた〜!
新宿南口をナオミさん(愛しの妻です)に引っ張り回されました。久しぶりに歩く新宿は変化が激しくてびっくりです。
東急ハンズにも初めて足を踏み入れました。ほとんど縁のない場所なので、ナオミさんについて歩くだけです。事務用品やら記念品の写真を飾るフレームやらアートやら……いろいろ見ながら、ああでもない、こうでもない、と……。聞けば、長男とは隅々まで見て歩くことがあるそうです。
クタクタになって帰って、長男に「今日は疲れたぞ。お前たちはあそこで延々時間をつぶせるのか」と聞いたら「半日は楽々ね」と言うので、「これからはお前が付き合ってやれ。俺はもうごめんだ」と、つい強い口調で言ってしまいました。
すると、
「あのね、“付き合ってやってる”って思うからつまらないんだよ。そうじゃなくて自分も楽しもうとしなくちゃ。一緒に楽しみを見つければ会話だって楽しくなるでしょ」
それを聞いて怒った? いえ、まったく。僕は短気ではありますが、納得さえすれば素直に聞きます。このときも「なるほど」と、わが息子の話ながら感心していました。
一緒に何かをするから共通の楽しみや喜びが生まれる。それは野球や仕事では何度も感じていたことですが、日常でも家族の間でもまったく同じなんですね。
たぶん、家族の中で、そういった僕の足りないところを埋め、つないでいてくれたのが祭(=トイプードル)だったんだとあらためて思いました。
祭の話になったので、ブログ(ズバリ! 大島くん)に書いたことを少し繰り返します。
祭を迎え入れるとき、一番悩んだのはナオミさんでした。必ずやって来る悲しいお別れを思い、ためらっていたのです。
それでも運命的なものを感じ、家族に迎え入れようと決めたとき、僕らは“人生最後の犬にしよう!”とも決めました。動物を飼うなら愛情たっぷり大切に育て、最後の最後まで自分たち自身で面倒をみたい。でも、それができるのは、僕らの年齢から考えると、祭が最後だと考えたからです。
だからこそ、後悔のないよう精いっぱいの愛情を祭に注いできたつもりです。思い残すことはありません。悲しみや寂しさは、ずっと残るでしょうが、心の中の祭を愛しながら、祭がくれたたくさんの幸せを抱き締めながら生きていこうと思います。
若い人には、寂しい話に聞こえるかもしれませんが、人も動物も命には限りがあり、それはそれで、どうしようもないことなのです……。
山田の覚醒を!
では、話はガラリと変わります。前回のバッテリーに続き、大島が2020年で期待する内野手について書いていきましょう!
まず、一塁手は
ヤクルトの
村上宗隆です。昨年は19歳で36本塁打と大活躍しました。サードなどもやっていますし、それはそれでいいと思いますが、僕は何年か先でもいいので、一塁に定着してほしいなと思っています。一塁手は“外国人のポジション”になりがちですが、村上の年齢を感じさせないふてぶてしい顔は外国人選手に負けぬ存在感があります。投手陣も用心棒? が近くにいるみたいで、頼もしいんじゃないですか。彼については、打率の低さと三振の多さを指摘する人がいますが、まったく問題ないと思います。積極的に強く振るのが彼のスタイルで、魅力です。それがなくなったら間違いなく、ホームランも減るでしょうしね。試合の状況次第では2ストライクのあとにチーム打撃をしていることもありますし、打者有利のカウントのときくらいガンガン振ってもいいじゃないですか。
セカンドは
広島の
菊池涼介です。彼は野球に対する感性がずば抜けています。技術的には捕球と、捕ってから投げる速さが素晴らしい。あとは、打球が飛んで来る前から「そこに来る!」という予測、準備ですね。皆さんも見ていて、普通のセカンドでは追いつかないものに追いつく姿を何度も見ていると思います。しかも、それを平気な顔でこなすのがすごい。あれぞ、プロですね。
ただ、そんな彼でもメジャーには行けませんでした。やはりバッティングでしょうね。今のメジャーはセカンドに限らず、守るだけの選手は生きづらい世界になっています。
サイズだけで言えば、メジャーには菊池より小柄なアルトゥーベがいます。170cmに満たぬ身長でアストロズのセカンドに君臨し、19年は31本塁打を放った選手ですが、ボールへの読みやアウトサイドにぐっと踏み込む打撃は素晴らしい。彼を見ていると、「野球は体の大きさだけじゃない」とあらためて思います。
セカンドには、トリプルスリー・
山田哲人(ヤクルト)もいますが、僕は彼を見ていると、いつも「もったいないな」と思ってしまいます。素晴らしい才能があり、攻守走の総合力はすごいのですが、印象度として弱い。ヤクルトが15年以外、なかなかV戦線に加わることができないこともありますが、瞬間的な集中力が少し足りないなと思うことがあります。
勝手な見方ですが、器用過ぎもあるかもしれないですかね。守備で緩慢なプレーがあっても「でも、バッティングがあるよね」になる。それが見ているほうだけじゃなく、本人にもあったのかもしれない。感情を表に出さないタイプなので、なおさら伝わるものが少ない選手になりつつありました。
ただ、プレミア12は違いましたね。序盤の不振もあったのか、後半は彼の一挙手一投足から、執念や喜び、悔しさが、すごく伝わってきた。代表に選ばれたらの話ですが、東京オリンピックが、彼にとって大きな転機になるのかもしれないです。
次は、僕も経験者であり、思い入れが深いサードですが、攻守にスケールの大きな選手が出てきてほしいですね。
長嶋茂雄さん(元
巨人)みたいに、とは言いませんが、大島くらい? には何とかなりませんかね。かつてはどのチームも「四番・サード」の看板選手がたくさんいた。今は全体的に小粒になっている印象があります。
サードの守備はフットワークより反応です。ある意味、サッカーのキーパーみたいなものですが、速い打球に瞬時に反応し、体を張ってアウトにする。その動きに華がある選手がスターです。
期待するとしたら巨人の
岡本和真ですかね。彼が参考にしてほしいのは、
ソフトバンクの
松田宣浩です。彼みたいに「俺、ここにいまっせ!」オーラを暑苦しいくらいに出しまくっている選手になってほしい。「じゃあ、松田でいいでしょ?」と言われそうですが、ダメ! 彼もいい選手ですが、やっぱり打率3割、ホームラン30本以上はコンスタントにほしいですしね。単に候補の1人です。
出でよ、大型サード、です。