1年目のキャンプは、とにかく必死にやってました
早く期待に応えたい
いよいよ春季キャンプが始まります。
私が現役時代、キャンプで考えていたのは、フィジカル面では下半身をしっかりとつくることでした。もちろん、どのくらいハードにやるかは年齢に応じて変わってきます。30歳を超えてからはキャンプを、1年間を乗り切るためのベースづくりと考え、自分の体の状態を見ながらやっていましたが、若いときはケガの危険などもあまり考えていなかったので、かなり思い切って追い込んだこともあります。
技術的には、バッティングの形をつくる時期と思っていました。シーズンが始まると、フォームに狂いを感じてもなかなか修正が難しいものです。キャンプからオープン戦までを目途にし、自分なりに課題を克服し、その年齢の自分の体に合ったものをつくりたいと思っていました。ただ、バッティングの形と言っても、スイング自体が変わるわけではありません。あくまで構えとタイミングの取り方についてですね。
若い選手にとって春季キャンプはアピールの場と言いますが、私は幸い、
星野仙一監督に1年目(88年)からレギュラーに抜てきしていただいたので、ほとんどそういう意識を持ったことはありません。1年目は勝手も分からず、ただ必死にやっていただけですしね。
ただ、大きな期待をしていただいたのは強く感じていたので、早くそれに応えたいなとは思って頑張っていた記憶があります。
まず全力でやってみる
今年も高校を出てプロ入りした選手がたくさんいますが、キャンプで一番大切なのは、早く自分のペースをつかむことでしょう。
練習内容や量自体は厳しい高校の野球部であれば、さほど気にならないかもしれませんが、時間も期間も長いですし、チームの首脳陣だけではなく、報道陣の方、ファンの方と、これだけ多くの人に見られながら練習をしたことはなかったと思います。さらに言えば、実戦からのブランクがあります。夏の地方大会で敗れ、U18や国体にも参加しなかった選手であれば、すでに半年ほど実戦から離れていることになります。おそらく、これまで、ここまで長いブランクの経験はないと思いますし、どうしても自分のペースがつかめず、ついついオーバーペースになってしまいがちです。
ただ、だからといってペースばかり考えると、逆に慎重になり過ぎてしまいます。これまでも何度も書いたように、あくまでケガ、故障に気をつけながらではありますが、まずは全力でやってみることでしょうね。
そのうえでプロの高いレベルを感じ、挫折感を味わうこともあるでしょうし、思った以上に疲れがたまったり、自分のパフォーマンスを十分に発揮できないときもあるでしょう。ただ、そのときにいろいろと感じたことは、すべてこれからにつながるヒントになり、今後につながる財産にもなってくると思います。
実り多きキャンプになるよう、頑張ってください。