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子どもたちへのメッセージ(1) 素振りを大事にしよう【立浪和義の超野球論】

 

少年野球でもプロでも基本は同じです


工夫しながら有意義に


 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの地域で非常事態宣言が発令となっています。

 野球をやっている、たくさんの子どもたちが、おそらくチームでの練習が制限されるか、活動休止状態になっているのではないか、と思います。

 自分が子どものころを思い出すと、練習は厳しく、楽しいことばかりではありませんでしたが、仲間たちと一緒に汗を流す楽しさ、少しずつでもうまくなって、監督やコーチにほめてもらったときのうれしさなどは、今もしっかり記憶に残っています。

 学校がいつ始まるかも分からない中、思うように大好きな野球もできず、寂しい思いをしている子どもたちも多いと思いますが、こんな状態がいつまでも続くわけはありません。今はそのための我慢の時期として、今まで以上に、お父さん、お母さんの手伝いをしたり、勉強をしたり、この時期を有意義に過ごしてほしいと思います。

 ただ、野球の練習は一人でも工夫すればできることがたくさんあります。

 まず体づくりのトレーニングに関しては、時間に余裕があるこの時期だからこそ、体幹を鍛えるような地道な練習を積み重ねてみてください。

 ランニングであったり、器具を使わない腕立て伏せ、背筋、スクワットなどです。腕立て伏せなども、角度を変えることで鍛えられる個所も少しずつ変わってきます。数をこなすだけではなく、今どこに負荷がかかっているかなど意識しながらやると、単調な練習が、少し楽しくなってくると思います。

理想のスイングを


 技術的な練習では、投手であればタオルを使ってのシャドーピッチング、バッターであれば素振りがあります。シャドーピッチングに関しては、私は野手出身ですので、今回は触れません。素振りは工夫次第では非常に有効な練習だと思いますが、大事なのは、その際、テーマを持ってやることです。

 普段から監督、コーチに指摘されている自分の課題を思い出してください。きっと「バットが外から出ているぞ」「バットが下から出て波打っているぞ」と言われたことがあると思います。

 子どもの筋力では重いバットをうまく扱えず、この2つの欠点が出てしまうことも多いと思いますが、この時期にあらためて理想的な正しいスイングを体に染みつかせるよう考えてみてください。

 正しいスイングと一口に言っても、簡単に説明はできませんが、ポイントだけを挙げれば、グリップエンドから出ていくような軌道で、バットが体から遠くならず、体に巻き付くようなスイングと言えばいいでしょうか。大きな鏡の前などで確認しながら振れたらなおいいのですが、なかなかそういう環境もないと思いますので、人に見てもらい、確認しながらでもいいかもしれません。

 一番大事なのはタイミングです。打席に立ったイメージを持ち、ボールを呼び込んでスイングをする。このため自分の中で一、二、三とタイミングを取るなら、二の部分をニ〜イとゆったりすることを心掛けてみてください。

 これを繰り返すことでバッティングに大切な間ま を学ぶことができるはずです。

 あとは、この機会に映像でプロの選手のスイングも見てほしいですね。ヤクルト山田哲人選手がいいかもしれません。構えでは人それぞれのやり方をしていますが、トップをつくってからは、いいバッターはみな同じです。いろいろな選手を見比べながら研究し、いいと思った人の、いいと思ったところをマネしてみてもらえばと思います。

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