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バレンティンは2冠も!? 首位打者は近藤が本命。盗塁は周東が楽しみ【大島康徳の負くっか魂!!】

 

段違いのスピードを持つソフトバンク・周東は、レギュラーさえ獲れれば盗塁王の最有力候補に躍り出る


打点は西武勢が有利


 また開幕がいつになるのか分からなくなってきましたが、今週は今季のパ・リーグの打撃タイトル争いを予想してみたいと思います。試合数も何試合できるのか分からない感じになってきましたが、とりあえずは143試合あるものとして、お話ししていきましょう。

 まず、ホームランでは、僕が一番面白いと思うのは、ソフトバンクに移ったバレンティンです。パ・リーグでもタイトルを獲(と)ってしまうんじゃないかという気がします。打点も含めて。リーグが変わって本人もやる気になっているでしょうし、デスパイネが故障しているという話もあるので、DHに入るようだと、けっこうやると思います。40本を超えてくるのではないでしょうか。パ・リーグのピッチャーには、速球で力勝負を挑んでくるピッチャーが多いですから、落ちる系のボールさえしっかり見逃していければ打てると思います。バレンティンのパワーがあれば、Pay Payドームなら多少の打ち損じでも入ってしまいますからね。

 ほかにホームランで可能性があるとすれば、山川(山川穂高)、中村(中村剛也)の西武勢でしょう。最近のパ・リーグのホームラン王は、ずっとこの2人と外国人勢の争いですからね。今年もそういう形になるでしょう。山川は、やっぱり調子の波が大きいですから、フォームの上下動をなくして、その波を小さくすることができれば、飛ばすコツは持っているので、そこそこの数字は出してくるでしょう。山川の手本のような存在である中村を含めてのホームラン王争いになるのではないかと思っています。

 日本ハムの中田(中田翔)もツボを持っていますが、彼はどちらかと言うと打点のほうに重きを置いているところがあるので、タイトル争いに絡むとすると、打点王ではないでしょうか。

 あと、外国人では、楽天ブラッシュとか、オリックスジョーンズがいますけれども、40本まではなかなか来ないと思うんですよね。

 次は打点王です。バレンティンに、今度は楽天の浅村(浅村栄斗)と、西武勢の3人。山川、中村に加えて、森(森友哉)が絡んでくるでしょうね。そして先ほど名前が出た中田あたりでしょうか。

 打点の場合は、前の打者の出塁率が問題になってくるので、候補に挙げた3人がつながっている西武勢が有利かもしれないですね。秋山(秋山翔吾、現レッズ)の出塁率は大きかったので、昨年より多少は減るかもしれませんが、打線全体としては、そのへんはある程度埋めてくると思います。ただ、バレンティンのホームランが40本を超えてくるようだと、バレンティンの2冠もありますよね。レアード井上晴哉ロッテ勢は、100打点に乗せることはできるかもしれませんが、ちょっとタイトルまで届く数字は出せない気がします。

首位打者は混戦模様


 首位打者は、秋山も抜けたので、予想が難しいですね。200本まで行かなくても、180本前後ヒットが打てれば届くような気がします。顔ぶれとしては、やはり左打者が中心になるのではないでしょうか。一番近いのは、日本ハムの近藤(近藤健介)あたりかなという気がします。一年間しっかり体調管理できれば、可能性があるのではないでしょうか。

 バットコントロールのうまさでは、ソフトバンクの中村晃も期待できます。首位打者というところまで大化けしてくるかどうかは分からないですけれども。それから、オリックスの吉田正尚。彼は長打とヒットを両方追いかけてしまうと難しいところがあると思いますが、ジョーンズが入ったことで、安打を打つほうに徹していくようなことになれば、可能性が出てくると思います。

 あとは……、森も2年連続はどうでしょうね。楽天の銀次は、試合にどれだけ出してもらえるか、というところも出てくる……。新監督というのは、若い選手を使いたがるものですから。

 出塁率に関しても、ほぼ、この首位打者争いで名前を挙げたのと同じメンバーの争いになると思います。フォアボールをしっかり取れる打者がより有利になると考えると、やはり近藤が本命と言えるのではないでしょうか。

盗塁王の対抗は金子侑


 最後に盗塁王ですが、何といっても面白いのはソフトバンクの周東(周東佑京)でしょう。彼がレギュラーを獲れるかどうか。レギュラーさえ獲れれば、やっぱり一番可能性がありますよね。むしろ、「いったいいくつぐらい走るのかな」という興味がわいてくる存在です。40どころではなく、50を超える数も期待できるのではないでしょうか。

 そうなると、そこまでの数を積み上げてこられそうな選手というのは限られてきます。昨年、41個で盗塁王の金子侑司(西武)ぐらいですか。今季は打順が一番に変わる可能性があり、打席数も増えてくるでしょうから、盗塁数も増える可能性があるとは思います。出塁率を3割8分から4割近いところまで持って行ければ、2年連続のタイトルも見えてくるはずです。

 そのほかの選手では、日本ハムの西川(西川遥輝)や、西武の源田(源田壮亮)もその気になれば走れると思うのですが、そこまで盗塁に重きを置いている感じではないですからね。やはり、周東がレギュラーを獲れれば周東、そうでなければ金子侑という感じではないでしょうか。



 日本プロ野球選手会が、新型コロナウイルス感染症拡大防止基金への寄付を全選手に呼びかける活動を始めたようです。いいぞ! 日本プロ野球選手会。野球界皆で力を合わせ、それぞれができることをやっていくことが大事だと思います。

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