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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「球場でたくさんのファンの前でプレーし、優勝争いができるのは選手冥利に尽きる。50年も前になる東映の身売りの思い出」

 

1973年、日拓ホーム時代の筆者。後期は土橋監督の下、選手兼ヘッド兼打撃コーチとして活躍した[写真=BBM]


プロ野球は人気商売


 パ・リーグの優勝争いが白熱している。8月29日現在、1位ソフトバンク、2位西武、3位オリックス、4位楽天の順だが、1〜4位までは3ゲーム差しかない。その後、5位のロッテも追い上げてきており、9月に入っても5球団が競り合っている展開は面白いし、ファンも目が離せないだろう。最後はどこが優勝を勝ち取ることになるのか。敗れたチームはクライマックスシリーズ(CS)でリベンジを誓うことになるわけだが、それでも優勝を含めてCSに出場できるのは3チーム。5チームのうち2チームは出られないということになる。

 そんなパ・リーグの戦いに注目しながら、今のパの選手たちは幸せだなとつくづく思う。ひと昔前なら、たとえ5球団が優勝争いを繰り広げていたとしても注目度は低く、あまり報道されなかっただろう。私も長くパの東映にいたから、よく分かるのだ。どれだけ活躍しても大きく取り上げられず、何度「同じプロ野球じゃないか!」と思ったかしれない。巨人を中心としたセ・リーグとの人気差は如何ともしがたかった。

 プロ野球はある意味、人気商売だ。ファンがいて、そのファンに球場に足を運んでもらい、入場料を払ってもらってプロの試合を見てもらう。選手たちの給料は主にそこから出ている。“お客様は神様です”という言葉があったが、そのとおりなのだ。だからそのお客さんが球場に来なくなったら、どうなるかは言うまでもない。これは球団にとっても選手にとっても死活問題なのだ。球団の親会社の経営がうまくいっているうちはまだよいが、業績が悪化してくると球団を手放すことになりかねない。会社は厳しい、球場にもお客が来ないでは赤字の垂れ流しになるからだ。いわゆる球団の身売りだが、今回はその話をしよう。私のいた東映が・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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