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裏方が見たジャイアンツ

香坂英典コラム 第47回 傷だらけのG戦士“村田チュー”(前編)

 

若手時代の村田。どんな厳しい練習をしていても笑顔が絶えない男だった


村田忠って誰?


 あるスポーツ紙の遊軍記者が当時のジャイアンツの捕手陣事情を新聞原稿にした。

「現在の巨人軍の捕手は村田真、村田忠、村田善と三人の捕手がいる」という書き出しだった。そして、あくる日、この原稿を書いた記者ではない別の記者が掲載された新聞を握りしめ、グラウンドにいる僕のところに来て「申し訳ありません」と頭を下げた。巨人軍には村田真一村田善則という2人の捕手はいても、村田忠という捕手は存在しないからだ(笑)。

 チューというのはあだ名であり、その人物というのはご存じ、僕がまさしく「傷だらけのG戦士」の呼び名にほかならないと思っている村田真一のことだ。

 しかし、村田忠の「忠」の字は一体どこから来たのだろう。そのときは腹を抱えて笑ってしまったが、村田真一のあだ名「チュー」は巨人軍周りでは、それくらい大きな認知度があった。

 このあだ名の由来は野球ファンには比較的知られているようだが、あらためてお伝えしたい。ドラフト5位で1982年に滝川高から入団した村田は同期生に同じく高校出身の槙原寛己山本幸二吉村禎章らがいた。のちに50番トリオとして売り出す駒田(駒田徳広)、槙原、吉村らも含めて・・・

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ジャイアンツ一筋41年。元巨人軍広報による回想録!

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