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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「先入観と戦い続ける“リアル二刀流”」

 

高校時代から目標は明確だった[写真は2012年ドラフト前の9月]


 大谷翔平から「先入観は可能を不可能にする」という言葉を初めて聞いたのは、彼が高校生のときだった。あれから10年近くの時が流れた。この春、大谷にあらためて訊(き)いてみた。「今も二刀流に対する先入観と戦っている感覚はあるのか」と……すると彼は言った。

「どうでしょう……ナメてんなというシチュエーションは最初のころよりは少なくなってるかな(笑)」

 この10年、大谷は野球界に蔓延(まんえん)するいくつの先入観と戦ってきたのだろう。今もなお、それは無理だと思ってしまうことはいくつもある。ところが大谷は、そうした先入観を一つずつ覆している。

 例えばこれまではバッターでの出場は無理だと言われていた登板前日、大谷はDHとして試合に出た。4月3日のホワイトソックス戦で二番・DHとしてフル出場を果たした翌4日、二番・ピッチャーとしてメジャー公式戦での“リアル二刀流”を初めて実現させたのである。そして4月24日のアストロズ戦ではメジャーで初めて・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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