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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「原石を磨き、埃を拭う二軍の指揮官」

 

いまや結果を出し続ける四番打者に成長したヤクルト・村上


 あれは2018年の夏だから、今から4年前のことだ。戸田の河川敷のグラウンドでスワローズの二軍の試合を観た。そのときのことを当時、こんなふうに描いた。

『河川敷で観たせいか、そのスケールは余計に際立って見えた。戸田球場で打席に立つ四番バッターは、遠目から見る分にはとても高卒ルーキーには見えなかったのだ。それがドラフト1位のルーキー、村上宗隆である。』

 村上にその立ち姿の美しさと醸し出すオーラについて感じたことをぶつけてみた。すると彼は、あっけらかんとこう言い放った。

「相手のピッチャーにもそんなふうに見えていればいいんですけど……プロの球はすごいとは思いますけど、二軍ですからね。そこで打ってもあまり関係ないと思ってるんで」

 いやはや、恐れ入った。

 確かに当時、そのバッティングは二軍のレベルを超えていた。背番号55は、松井秀喜(元ヤンキースほか)を彷彿させた。高卒1年目、その松井にプロ初ホームランを献上したスワローズの高津臣吾(現・高津、当時二軍監督)監督も、こう言っていた。

「松井とはタイプが違うような気がします。自然と左方向に強い打球が飛ぶ打ち方をしてますから、松井というより・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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