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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「実質2年間の高校野球。5季連続出場のすごみ」

 

今夏の甲子園では、鳥栖工高の1年生・松延響が登板。5季連続で聖地のマウンドに上がることはできるか[写真=田中慎一郎]


 この夏の地方大会で敗れて高校野球を終えた3年生と話をする機会があった。その中で印象に残ったのは、彼のこんな言葉だった。

「ホント、あっという間でした。甲子園を目指せるのは、実感で言うと3年間じゃないんですよ」

 強豪校で1年夏からメンバー入りするのは至難の業で、実際、1年生で背番号をもらった仲間はいなかった。勝負は1年秋、メンバーに入った彼は、2ケタの背番号を着けて秋の大会に挑んだ。しかし出場機会はほとんどなく、チームは早々に敗れてセンバツへの夢を断たれる。次のチャンスは9カ月後の2年夏。そこで負けてしまうと、最上級生の秋を迎えた。

 つまり、2年の7月から9月までの3カ月の間に“2年夏”と“2年秋(3年春)”が終わってしまい、そこで甲子園出場が叶わなければ次はラストチャンスということになる。高校野球は3年間と言われているが、甲子園を懸けた戦いができるのはほぼ2年間だけなのだ。その儚さを、彼と話をしていてあらためて実感させられた。

 だったら、というところで考えたことはいろいろある・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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