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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「なぜ高校生と向き合うのか。もう一度、沈思すべき」

 

日本代表がアジアプロ野球チャンピオンシップで優勝を遂げた2日後、同じ東京ドームでイチローは今年も女子高校生たちと真剣勝負を展開した[写真=川口洋邦]


 日本代表のユニフォームを着た井端弘和監督が宙を舞った、その2日後――同じ東京ドームで、今度は50歳のピッチャーが116球を投げて、3年連続の完投勝利を完封で飾った。試合前には「1本のヒットも打たせるつもりはない」と豪語し、本気で女子の高校生たちに向き合ったのは、世界一のヒットマンである。イチローはメジャー・リーガーとして現役生活を終えたあと、楽しむ野球をやりたいからと草野球チームを結成し、ピッチャーとして第二の野球人生を歩み始めた。

 しかし、時折、聞こえてくる。

 イチローは日本代表の監督をすべきだとか、草野球をやっている場合かといった声が……いやいや、イチローは彼にしかできないアプローチで日本の野球のために尽力しているのだ。村田兆治さんが引退してからも140キロの剛速球を引っ提げて離島を訪ね歩いたことも、野茂英雄さんがクラブチームを立ち上げて不況下の日本で選手の受け皿をつくろうとしていたことも、桑田真澄さんがボーイズリーグのチームを設立して子どもたちの指導をしてきたことも、それぞれの歩みや立ち位置から見つけた彼らならではのアプローチだった。そしてイチローは今・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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